『これからの人生』(La Vie devant soi, Madam Rosa, 1977, 仏作品, Moshè Mizrahi監督)は、ロマン・ガリ(筆名エミール・アジャール)の同名小説(La Vie devant soi, 1975)の映画化。ホロコーストを生き延びた初老の女性とアラブ系少年の愛情を描き、アカデミー賞外国映画部門賞を受賞した。古い映画だが往年の大女優、シモーヌ・シニョレの圧倒的な存在感が見どころである。また、2020年にはソフィア・ローレン主演でリメイクされ、Netflixで公開されている。


Montand-Signoret-Rome-1958
往年のシモーヌ・シニョレ。夫のイブ・モンタンと共に

 

 パリの下町を急ぎ足で歩く初老の女性。フランスパンの突き出した大きなバッグを手にアパートの狭い階段をのぼり始めるが、肥満気味で荒い息からかなり体調が悪そうである。すれ違う各階の住民から「こんにちは、マダム・ローザ」と声をかけられながら最上階にたどり着くと、小さな子供たちが駆け寄ってくる。ローザは近所の娼婦の子供たちをあずかって、生計を立てているのだ。

 

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