ヨハンナ比較文化研究所
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戦争・反戦

続・ウクライナについての小さな情報(続報あり)

 ウクライナの紛争について参考になる記事や動画を3月にまとめたが、その後もさらにあふれんばかりの情報が入ってくる。とりあえず続編をこちらにまとめておく。少し煩雑になってしまったが、ドンバスや欧州諸国、米国などの動きについて多角的に考える参考になればと思う。主に英語の情報を選んだが、その他の言語のものには英語字幕がついている。

【ウクライナ:普通にナチズム】
(ロシア語英語字幕埋込み)
Ukraine:Ordinary Nazism(7 Apr. 2022、52分22秒、Youtubeより。画面右下の▢で大画面になります)

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『Z』(1969)コスタ・ガブラス監督のアカデミー賞受賞作品

 1963年5月、軍縮とNATOからの撤退を呼びかけるギリシアの左派政治家、グリゴリス・ランブラキス(1912-1963)がテッサロニキで暗殺され、民衆の怒りは大きな抗議行動につながっていった。『Z』(1969年:アルジェリアとフランスの合作)はこの事件のドラマ映画化で、アカデミー賞を2部門で獲得している。日本でもすぐに公開され、その後しばらくはあちこちの名画座で繰返し上映されていたのだが、今ではすっかり忘れ去られてしまったようである。なお、タイトルの「Z」はギリシア語の”Ζει”、「彼は生きている」を意味し、ギリシア民衆の抵抗運動を象徴する標語にもなっている。

Costa-Gavras_en_1970
監督のコスタ・ガブラス

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ドキュメンタリー『鎖の重さ』NATOがユーゴスラビアを空爆したひどい話

 今、ウクライナ=ロシア間の戦争のひとつの原因になっているドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国は、2014年に独立を宣言したものの、西側諸国からは未だに承認されていない。ところが過去にはウクライナの近隣で、独立宣言が米英欧諸国から即座に承認された小国がいくつかある。1991年から1992年にかけて旧ユーゴスラビア領から独立した国々である。これら小国の独立は、1999年のNATO軍による空爆につながっていった。この過程を説明してくれるドキュメンタリー、『鎖の重さ』(2011、The Weight of Chains)を今回は紹介する。

 

 1980年代、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国(以下、SFRJ)のGDP成長率は6.1%で、生活水準はまずまず良かった。医療と教育はタダだし働く権利や公共交通の他、住宅も保障され、識字率は90%に達し、平均寿命は72歳だ。経済体制は、労働者協同組合自主管理による公的所有と個人企業の混合という独自の社会主義経済モデルを形成し、西欧諸国より高い成長率を示したため、市場社会主義の成功例と見なされ、国民の満足度も高かった。「ユーゴスラビアは独立のシンボルだ。この国はすべての国民にあらゆるものを提供できる。ユーゴスラビアは急速に発展し変化している。すべての人々のための自主管理社会だ」、等々。
Novi Sad Oil

1999年、NATOの爆撃を受けるユーゴスラビアのノヴィサド製油所Attribution-ShareAlike 3.0 Unported (CC BY-SA 3.0)

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ウクライナについての小さな情報(続報あり)

ウクライナvsロシア紛争が続いている。とても心配な情勢だが、ゼレンスキーがチェルカッシ&オデッサの局長にウクライナ右翼国粋主義集団Aidar Battalion指揮官だったマルシェンコ(Maksym Marchenko)を指名したという報道を受けて、ほんのちょっと前までの現代史がわかる映像を臨時で紹介する。ほんとうに心配だ。物騒な記事なので、紛争がおさまれば回収したい。

《TIME:2021年1月9日報道》ウクライナの白人至上主義武装組織の内情(取材は2019年夏に行なわれたもので、米国報道陣ははるか以前から知っていたという事になる) 
Inside A White Supremacist Militia in Ukraine(TIME、8分12秒、Youtubeより。画面右下の▢で大画面になります)続きを読む

亀井文夫『日本の悲劇』(1946):GHQに没収されたニュースリール満載ドキュメンタリー

 亀井文夫は面白い人物で、戦中は強い反戦思想に基づいて映画を制作していたわけではない。もちろんそんな事はできるはずもなかったのだが、その代わりに割とまじめに国策協力映画を作ろうとした。おそらく当時の知識人の大半がそうだったように、「こんな戦争はだめだ」と内心では思いながらも大戦景気にあやかり、時代に飲み込まれながら何とかうまく生きる道を選んだのだろう。著書『たたかう映画』(1989)を読むかぎり、ドキュメンタリーにおける方法論も今日的観点からは必ずしも肯定できるものではないし、それでも人間としての最後の一線は越えないようギリギリの映画作りをしていた様子が、文脈からうかがえる。

 だが、作品には本音が出る。結局、戦意高揚のために制作したはずの『戦ふ兵隊』(1939)は、内務省の検閲で上映不許可になり、果ては投獄されてしまう。戦後には、晴れてものが言えるとばかりに『日本の悲劇』(1946)を制作するが、今度はGHQによって没収される。踏んだり蹴ったりである。亀井文夫とは、統治者が誰に替わろうとも都合の悪い映画しか作れない監督なのだ。

Fumio_Kamei
亀井文夫(1908-1987)

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『対中国戦争』(2016)米国による中国包囲網としての沖縄米軍を考えるドキュメンタリー

 ジョン・ピルジャー監督(John Pilger)の2016年作品、『対中国戦争』(The Coming War on China)は、中国包囲を念頭に東アジア各国に軍を配置する米国の戦略について、現地住民の立場から検証するドキュメンタリーである。沖縄にも取材し、辺野古の島袋文子氏や彫刻家の金城実氏などがカメラに収められている。取材は日本にとどまらず、核被爆したビキニ諸島の住民や、海軍基地に反対する済州島の人々など、広範囲におよぶ。内容は2016年時点で公開された作品として見てほしい。

 

(1)プロローグ

 

 BBCCNNを始め、あらゆるニュースが南沙諸島における中国の不穏な動きを報道している。だが、「The China Mirage」の著者であるジェイムズ・ブラッドレイ(James Bradley)は主張する。「北京で一番高い建物の上から太平洋を眺めてみたらいい。米軍戦艦がたくさんいて、そのミサイルがみんな中国のほうを向いているのが見えるだろう。韓国からも米軍装備が中国のほうを向いている。日本はアメリカのげんこつを隠すグローブだしね。もし私が中国人だったら、米国の攻撃的な態度が心配になってくると思うよ」。ピルジャーの解釈はこうだ。「確かに中国は南シナ海の紛糾する島に滑走路を建設して米中の危機を煽っている。だが、脅威にさらされているのは実は中国のほうなのだという事実は、報道されない。この地図(図1)を見ればわかるように、米国のミサイルや爆撃機や戦艦が、オーストラリアからアジア・太平洋の全域にわたって、投げ縄のように中国を取り囲んでいる」。
war on china
(図1)米軍による中国包囲網(映画からのスクリーンショット)

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『日本人、初めて自由選挙に行く―1946年』占領期ニュースアーカイブに見る反共宣伝

 日本女性が戦後、初めて普通選挙に参加した様子をとらえたニュース映像が、アメリカ国立公文書記録管理局(NARA)に残っていた。どんなものかと興味をもって観てみると、記述にどうも不正確なところがある。背景などを調べるうちに、当時放映されていた「The United Newsreel」という一連のニュース番組自体が、米国内外への反共宣伝のために使われていたということがわかってきた。

 

 アーカイブを公開しているNARAのカタログには、「4月10日選挙運動と集計、共産党が暴徒を首相公邸に駆りたてる」との要約がある。そして公文書管理専門家はこの一連のニュース映像について、「1942年6月から1946年9月までの連合国側の行動を1話から9話までの合計約9分にまとめ、毎週一回公開したもので、徹底して誇張したプロパガンダ様のナレーションが加えられている」(出典参照)と解説している。

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『休戦』(遥かなる帰郷・1997年伊映画)プリーモ・レーヴィはどうやってアウシュビッツからトリノまで帰還したか

 プリーモ・レーヴィ(Primo Levi、1919-1987)はトリノ出身のユダヤ系イタリア人化学者で、戦後はアウシュビッツからの生還者として筆をとり、記録文学を書き残した稀有な作家である。生き地獄にもがく被収容者を客観的に観察しながらも、温かい視点を失うことのないレーヴィの筆致は、読む者に人間らしさの倫理や生きることの哲学を問いかける。その貴重な作品群から、アウシュビッツ解放後の帰還の旅を述懐した『休戦』(La Tregua、1963年初版発行)が、フランチェスコ・ロージ監督によって1997年に同名映画化された。日本公開当時のタイトルは『遥かなる帰郷』になっている。忘れ去られるにはもったいない映画なので、改めて取り上げたい。


Primo_Levi_(1960)

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『医師ベシューン』抗日戦争を戦う八路軍に命を捧げたカナダ人

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 「医師ベシューン」(1990年カナダ映画, “Dr. Bethune: The Making of a Hero”)は、毛沢東の八路軍に従軍して日本の侵略軍と戦ったカナダ人外科医、ノーマン・ベシューン(Henry Norman Bethune, 1890-1939)の実話をもとにしたドラマ映画である。演ずるのはドナルド・サザランド。1970年に制作された反戦コメディ、「M*A*S*H」で、朝鮮戦争の野戦病院で活躍する外科医役を好演したのが評価されての起用だろう。映画ではカナダの上流階級から飛び出し、中国奥地の野戦病院に命を捧げる熱血外科医を手堅く演じている。なお、日本ではべチューンと表記されることが多いようだが、ここでは英語での呼び方に近いベシューンを採用する。

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【臨時紹介】『三十二』中国で生きる元従軍慰安婦の静かなドキュメンタリー

 中国でかつて娘とともに日本軍に誘拐され、従軍慰安婦にされた韦绍兰(Wei Shaolan)さんが、戦後すぐに生まれた息子とともに暮らす家を訪れ、インタビューしたドキュメンタリー。映画製作時、タイトルは生存する元従軍慰安婦の数である『32』だった。だが映画が完成し、公開する時には22人になっていた。したがって現在、このドキュメンタリーは『22』というタイトルになっているようだ。静かな語りのなかにずっしりと重みのある作品である。
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「国旗をかかげて武器を売る」(Flying the Flag, 1994)、英国兵器産業の話

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 ジョン・ピルジャー監督の『国旗をかかげて武器を売る』(Flying the Flag, Arming the World, 1994)は、英国兵器産業の勃興とそれに関わってきた企業や政治家を取材したドキュメンタリー。最近、武器輸出に手を染め始めた日本企業の倫理を考えるにあたって、大いに参考になる作品だ。
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『忘れまじ』第一次大戦における良心的兵役拒否者たちの記録

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 『忘れまじ』(Not Forgotten)は風刺作家であるイアン・ヒズロップをプレゼンテーターに招き、第一次世界大戦が英国に与えた影響を検証したドキュメンタリー・シリーズ。英国チャンネル4で2005年から2009年にわたって7作が放映された。今回はその中で6作目にあたる『戦おうとしなかった男たち』(2008年)を紹介する。
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『イラク・バーゲンセール!』戦争に群がる請負企業群の話(Iraq for Sale)

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 イラク戦争は数十億ドルにのぼる巨大産業であり、それが米国人の税金で賄われた。その規模は、イラクで二番目に大きい部隊の実態が民間警備会社で、他国のどんな軍隊よりも大きかったことからも推測できる。『イラク・バーゲンセール!』(Iraq for Sale)は、イラク戦争に群がる民間企業群とその相関図を白日のもとにさらした2006年のドキュメンタリー。監督はBrave News Filmの創設者でもあるロバート・グリーンウォルド(Robert Greenwald, US)。
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『Reg』(レジ:2016年BBC)イラク戦争の罪を問うTVドラマ

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「もし人が国を裏切ったら、反逆者として投獄されるわね。だけど、もし国が人を裏切ったら、何ができる? 答えは投票を使って、彼らを落選させることよね。私の息子や同様の目にあった男たちのために」。反戦無所属候補として2005年の英国総選挙に出馬し、トニー・ブレアの戦争犯罪を激しく非難したレジナルド・キーズの妻の言葉である。
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オットー・ヴェルスの「全権委任法」反対演説(1933)、日本語字幕付

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 1933年3月23日、国会議事堂が焼き討ちされたベルリンでは、臨時の国会議場となったクロル・オペラ劇場で、ナチス政権への全権委任法(Ermaechtigungsgesetz/Enabling Act)が採択されようとしていた。突撃隊や親衛隊に囲まれた会場で、唯一法案に反対の演説を行なった社会民主党(SPD)議員がいた。オットー・ヴェルス(Otto Wels)である。今回、この1933年「全権委任法反対演説」の音源を入手できたので、翻訳してイメージを加えてみた。
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ドイツ映画『グライヴィッツ事件』再掲。ナチスは侵略をどう演出したか?

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 2014年に当研究所で上映したドイツ映画、『グライヴィッツ事件』(ヴォルフガング・コールハッセ脚本、1961年ドイツ語・モノクロ70分、日本語字幕付)について再掲する。
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反戦映画『野火』(塚本晋也監督)、ヴェネチア映画祭で評判

 塚本晋也監督の『野火』(2014、市川崑の旧作とは別作品)が第71回ヴェネチア映画祭で上映され、評判になっている。日本のメディアではモントリオール映画祭での吉永小百合さんの活躍が大きく報道されているが、英国の日刊紙”ガーディアン”はヴェネチア映画祭出品の『野火』を衝撃的な作品として紹介した。私は映画はまだ見ていないが、速報する。以下がガーディアンの記事。

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『グライヴィッツ事件』から75年

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 第二次大戦の引き金となった『グライヴィッツ事件』が起きたのは、今からちょうど75年前の1939年8月31日。ナチスドイツの謀略事件として有名だが、その詳細はあまり知られていない。私もゲアハルト・クライン監督の『グライヴィッツ事件』【Der Fall Gleiwitz (1961)】に字幕を付けるという仕事をするまでは、世紀の陰謀が実際にはどのように展開されたのか、などということは考えたこともなかった。
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『赤いオーケストラ』DVD発売開始

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『赤いオーケストラ』
シュテファン・ローロフ監督作品
DVD発売開始しました。

アマゾンでは発売開始と同時に売り切れてしまったようですが、また在庫の補充をしますのでご安心ください。
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【ウィシュマさん国賠名古屋地裁第2号法廷】
12月から医師等4名証人尋問
■2025年
12月04日(木)14:30~
12月11日(木)14:30~
12月24日(水)10:30~
■2026年
1月14日(水)10:30~
1月28日(水)10:30~
 **************

※対ロシアが上手くいかなくて踵をかえしてベネズエラ。これも事実上失敗で今度はイラン。精神鑑定と24時間カウンセリングが必要な深刻な症状だと思う。

※なるほど。80年前は「現人神」に命を捧げた幼稚な民族が今度は「真のお母様」に骨までしゃぶられたってことか。

※誰かネタニヤフのことを「凡庸な悪」と言う人いる?

※原爆を落とさなくても日本は降伏していたが戦後史も変わっていただろう。まず無条件降伏までの日程が延びてソ連軍が北海道を制圧し場合によっては南進する。戦後処理は日本のどこかで南北にぶった切ってドイツのように分割する形で終結した可能性が高い。その場合、朝鮮半島の分断という悲劇はひょっとしたら免れたかもしれない。どちらにしろ日本はこの戦争で近隣諸国に多大な迷惑をかけた。《続編》もちろんそれでも原爆は落とさない方が良かったに決まっている。我が国は日本連邦共和国と日本民主主義人民共和国の二つに分かれただけだから。バラライカ弾いてカチューシャを歌って結構楽しく暮らせたと思う。

画像は西鶴一代女(1952年東宝:溝口健二監督)のスチールに自動着色+手修正

日独韓伊の米軍基地

《国会オンライン中継録画》
◎衆議院インターネット審議中継

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戦争の彼方
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ウィーンへの帰還
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赤いオーケストラ
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革命の内側¥1650(税込)

当研究所制作の美術書

10月1日発売開始
2026年カレンダー:読書の風景¥550(税込)

ミケランジェロ素描集
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テオドール・ジェリコーの習作
¥1650(税込)


モーティマー・メンペス作品選Ⅱ:ブルターニュ
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モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と
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ドラクロワ素描集
¥1100(税込)


本を読む
ジャカルタ・メソッド : 反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦(ヴィンセント・ベヴィンス著)

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