ヨハンナ比較文化研究所
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歴史・思想・教育

2025年秋のお薦め図書

(1) クレムリンの5000日:プリマコフ政治外交秘録
エヴゲニー・プリマコフ著、鈴木康雄訳
NTT出版2002年発行 本体3,500円+税
 プリマコフ(Евгений Примаков) は元々はジャーナリストだったが、ゴルバチョフおよびエリツィンの時代に外交官や首相としてクレムリンの政治に深く関与する。ソ連、ロシアの政権内部だけではなく、地球規模の外交がどういうふうに運ぶのかを理解できる貴重な手記である。現在のモスクワ対ワシントンの駆け引きを見るためにも参考になる。
クレムリンの5000日: プリマコフ政治外交秘録
エヴゲニー プリマコフ
エヌティティ出版
2002-03-01


(2) 戦争広告代理店
高木徹著
講談社2005年発行 本体619円(税別)
 ボスニア紛争で、米国の広告代理店が作り上げた「セルビア人=加害者」という善玉悪玉作戦が、ユーゴスラビアの運命を決定し、NATO軍の空爆につながっていく。PRに莫大な費用と労力をかけ、強引に「真実のイメージ」を造り上げたものが勝利するという現代政治の怖ろしさを、著者は緻密かつ的確に取材している。


(3) 上海時代:ジャーナリストの回想(上・中・下)
松本重治著
中公文庫 1989年発行 各540円から560円
 昔のジャーナリストのインテリ度はすごかった。1899年生まれの松本重治は日本新聞聯合社上海支局長になり、日中戦争をなんとか回避しようと奔走する両国の人物と交流し続ける。読みながら実らなかった努力の跡を考える。



(4) 後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ
ペーター・ヴォールレーベン著、本田雅也訳
早河書房 2021年発行 本体900円+税
 動物に恥じらいや後悔はあるのだろうか、利他主義の行動をとることがあるのだろうか、下心はあるのだろうか、など意表をつく疑問に答えを見つける観察記録。自然や共生する動物たちの姿を伝えるベストセラー作家、ヴォールレーベン(Peter Wohlleben)の楽しく読めて、人間社会についても考えさせられる良書。



☟ドイツ語原本はこちら



ウインズロウ・ホーマー(Winslow Homer):奴隷解放宣言直後のアメリカを描く

 米国の画家、ウィンズロウ・ホーマー(1836-1910)は、奴隷解放宣言直後の労働者や児童の姿をとらえた作品を数多く残したことでよく知られている。南北戦争に北軍側雑誌画家として従軍し、その後は田園や港で働く人々と子供たちを描き続けた。非常に多作な画家で、特に海や帆船を描いた作品群が有名だが、解放後のアフリカ系アメリカ人の日常を大きなテーマとしてとらえた作品も重要で、見ごたえがある。(以下に掲載した絵画はクリックして拡大画面でご覧ください。)

Market_Scene_Nassau_by_Winslow_Homer_1885
ナッソーの水上市場(1885)

Winslow_Homer_-_Dressing_for_the_Carnival
カーニバルの装束(1877)

 上の作品はアフリカン・アメリカンの間で恒例の仮面舞踏祭、ジャンカヌー(Junkanoo)を描いた1877年の油絵である。右下の少年が星条旗を握っているのは、このお祭りが7月4日に重ねて開催されていたかららしい。子供たちの姿から、奴隷解放宣言から15年ほどたつにもかかわらず、生活は楽ではなかったことがうかがえる。

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昭和初期の新聞はこうやって作られていた。溝口健二宣伝フィルム『朝日は輝く』

 溝口健二は1929年、大阪朝日新聞社からの依頼を受けて創立50周年記念無声映画『朝日は輝く』を監督作成した。一見ドキュメンタリー風だが、実は脚本・俳優を使った宣伝用創作映画で、太秦で撮影されたモキュメンタリ―である。とはいえ大阪朝日新聞社印刷所の実写も大胆に挿入され、当時の輪転機や鋳型活字、植字工の働きぶりなど、非常に興味深い映像となっている。 残念なことに作品の大半は紛失してしまい、現存する25分ほどの無音リール画像は決して鮮明とはいえないが、貴重な映像資料として取りあげることにした。以下に紹介するのは作品の一部分で、背景音楽は弊研究所が加えたものである。

  スピード感あふれる迫力満点の画面からは、無声でもここまで魅せる溝口の底力を目の当たりにできる。1929年当時の映画製作水準はなかなか高かったのだ。また、「エイゼンシュテインを見ていたのか」と思わせるようなカメラワークもあるが、『戦艦ポチョムキン』等の作品は日本では1950年代まで封殺されていたそうだから、溝口は見ていなかったはずだ。その辺りの事情は研究者のほうが詳しいだろう。

原作:大阪朝日新聞

監督伊奈精一溝口健二

脚本木村千疋男

撮影:横田達之対島寅雄

出演者中野英治村田宏寿沢蘭子斎藤紫香

(他に土井平太郎入江たか子などの出演記録が残っているが今回抜粋した部分には登場していないと思われる)

 

 なお、この作品の今回取りあげなかった部分には、大陸に拡大していく日本の物資輸送の実写もふくまれている。日活の資料によると元作品は77分だそうで、現存しないのがまことに残念である。

 
👇溝口健二
『朝日は輝く』より抜粋👇
(モノクロ無声・背景音楽は付加)
 
昭和初期の新聞はこうやって作られていた。溝口健二監督宣伝フィルム、『朝日は輝く』。 (29 Jun 2024、13分31秒、YouTubeより。画面右下の▢で大画面になります)


芸術家たちの闇:クラシック音楽の場合

 以下に並ぶ記事は、クラシック音楽の世界で生じた不祥事の数々である。どれも非常に深刻な事件なのになぜか世間は忘れたがるので、備忘録として載せておく。主観的な注釈は避けるが、若い音大生たちは身の回りに腑に落ちないことが起こったら、必ず友人や信頼できる大人に相談すること。たいていのケースに余罪がある。


行動支配と感情的な虐待:クラシック音楽の教授法は壊れているのか?音楽学生が初めて語り始める経験(2023年7月11日、The Standard)

Controlling behaviour, emotional abuse – is classical music teaching broken?

Music students are speaking out about their experiences during their studies, many for the first time



偽終止:元音楽学生がジュリアードの複数の教師を性的非行で告訴 (2022年12月13日、npr, Deceptive Cadence)

Former music students accuse two Juilliard teachers of sexual misconduct



チータム音楽学校の性的虐待取り調べ:「広範囲の虐待」報告が30件以上(2013年5月8日、The Independent)

Chetham music school sex inquiry: More than 30 report 'widespread abuse'

39 teachers from several schools under investigation in relation to sexual abuse allegations



フランシス・アンドラーディ審問:性的虐待事件被害者のバイオリニストは「私が裁判にかけられている気分よ」と夫に語った(2014年7月7日、Manchester Evening News)
(※アンドラーディは権威ある聖歌隊指揮者に性的虐待を受けた過去を告白、裁判に訴えていた最中の2013年1月に自殺した。)

Frances Andrade inquest: I thought I was on trial, tragic Chetham's sex abuse case violinist told husband

Musician had spiralled into 'incredible despair' over court case involving her pervert former music teacher Michael Brewer, hearing is told



モンドリアンがもんどり打ってたって?まあそんなもんでしょ

 オランダの画家、ピート・モンドリアンの絵が75年間ものあいだ上下逆さまに展示されていたそうだ。問題の作品は『New York City 1』と名付けられた1941年作品で、1945年にニューヨーク近代美術館で紹介され、1980年以降はデュッセルドルフにあるノルトライン=ヴェストファーレン美術館に展示されるようになった。写真で拝見した限りではかなり大きな作品だが、作風からいって、逆さまであっても別に誰も文句は言わないだろう。同館では保管上の問題もあり、これからも逆さまのまま展示を続けるそうだ。

 てなわけで、今回は折角なのでモンドリアンとカンディンスキーの作品を数点紹介する。ただし1点を除いてすべて上下逆さまか左右に寝転がしてある。どれが正位置の作品か推測しながら、ゆっくり鑑賞してほしい。(以下に紹介する作品群は問題になった逆さまの絵、『New York City 1』ではありません)

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動画:画家は馬を描くのです。(その2)アンリ・トゥールーズ=ロートレック、エドガー・ドガ、ギュスターヴ・ドーア

 馬をたくさん描いた画家の代表格は、やはりトゥールーズ=ロートレックだろう。当時の生活に不可欠であった乗り物としての馬、狩猟の道具としての馬、乗馬の友としての馬を、非常によく好んで描いている。その動きの正確さは言うにおよばず、馬という動物をよく知っている描き方である。現代人は馬と共に生活をしていないから分かりにくいかも知れないが、猫好きが猫のしぐさや癖をよく知っているようなものだ。パリでの屈折した生活や、キャバレーやサーカスのポスターのほうが有名な画家ではあるが、故郷アルビの生活とともに描かれた馬は、彼の内面をよりよく説明してくれる。

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トゥールーズ=ロートレックは馬を好んで描いた。この作品では馬が「だく足」であることがわかる。

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動画:画家は馬を描くのです。(その1)ドラクロワ、ジェリコー、ダ・ヴィンチ

 古来、あらゆる画家が馬を描いてきた。習作であったり物語の小道具であったり。だが、脇役であるはずの馬を眺めているうちに、その描き方の面白さにいつしか取りつかれてしまう。名画を「馬でまとめたい」と長年、思っていたので、ひと思いにやってみた。
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レオナルド・ダ・ヴィンチ『アンギアリの戦い』
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目利きによるジャポニズム批判としてのモーティマー・メンペスの言い分

 10月の記事でも紹介したモーティマー・メンペス(1855-1938)は、日本の文化と芸術をこよなく愛しながらロンドンで活躍した画家である。作品は挿絵や名画の模写、著名人の肖像画から風景画まで、水彩や油絵と多岐にわたり、版画の領域ではエッチング技術にも貢献している。さらに出版の分野でも、当時としては斬新だった全カラーのイラスト入り世界紀行文集を大量に発行し、つぶれかけていた出版社を再興させたりした。

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モーティマー・メンペス

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新刊美術書『モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と』

 新たに大型本画集、『モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と』を発行しましたので、紹介いたします。

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A4版美術書 ¥2,530(税込み)、68ページ全カラー・日本語
収録画数85点・
発行:ヨハンナ比較文化研究所
2021年10月25日発売開始


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実写カラーで見る1946年の皇居前メーデーと初の女性参加選挙(画質修正)

K Tokuda

 1946年、GHQは占領政策の一環である民主化を促進するために、皇居前広場での第17回統一メーデー開催を許可した。この短編記録映画は、当時の様子を米国空軍配属のカメラマンが撮影したものである。戦争が終わってまだ一年、平和な生活と繁栄を求めて立ち上がる人々の表情は意外に明るく、希望に満ちている。また、様々な人がデモに参加する中、釈放されたばかりの政治家たちが力強く演説する様子を、カラーでとらえたカメラマンの腕は確かだ。最後のほうには、衆議院議員選挙に初めて投票する女性有権者の姿も写っている。

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『ボストン・リーガル(シーズン4)』アラン・ショア、二大政党制は民主的なのかを問うの巻

 久しぶりに『ボストン・リーガル』を取りあげる。2008年米国大統領選の最中に放映されたシーズン4エピソード18で、二大政党制による選挙がかかえる問題点を指摘している

 

 予備選進行中のある日、アランショアの上司、シュミット(キャンデス・バーゲン)が突然、「甥のミッチーを訴えたい」と泣きついてきた。理由はこうだ。ミッチーはマサチューセッツ州のある選挙区で民主党予備選挙の誓約代理人をやっている。予備選ではヒラリー・クリントンが選ばれたのだが、ミッチーはバラク・オバマのほうが良いと信じており、選挙区民を裏切ってでもオバマに投票すると言い始めた。シュミットはこれを止めるべく、アランに法廷での弁護を依頼したわけだ。そこでアランが選んだ戦術は、民主党を訴えるという奇策だった。

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2008年ワシントン州予備選挙の様子(
Joe Mabel, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons

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★臨時紹介★『お久しぶりです、武漢』(好久不见,武汉)武漢に取材した最新のドキュメンタリー

 今回は当研究所の掟を破って、日本人監督(竹内亮)の作品を臨時に紹介する。『好久不见,武汉』(お久しぶりです、武漢)だ。新型コロナウイルスの悪夢を乗り越えてきた武漢の人々が登場し、その困難と現在の心境などを語る。街並みの映像も非常に美しく、観るうちに武漢を好きになり、訪れてみたいと思うようになる好感の持てるドキュメンタリーである。取材班が雷神山医院を訪れている場面も見どころのひとつだ。

 ユーチューブで公開されているので、以下にリンクを貼る。中国語と英語の字幕が埋め込まれているが、日本語字幕もオンにできる。(1時間1分14秒)☟☟☟
日本人監督が見た武漢 -- 好久不见,武汉| Post-Pandemic Wuhan Through the Lens of a Japanese Director



『金貸し』IMFの問題点を現場に取材したドキュメンタリー

 世界銀行(World BankIMFInternational Monetary Fund、国際通貨基金は世界の90%におよぶ地域に資金融資し、経済援助を続けているだがこのふたつの組織に対しては批判が多く、世界各国で50件を超える抗議行動が起こり、参加者数は100万人にのぼるといわれている。どうしてそれほど騒動を呼ぶのか、という謎を解き明かしてくれるのがロバート・リヒター(Robert Richter)監督のドキュメンタリー、『金貸し』(The Money Lenders、1994年)である。

 

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オルセー美術館特別展『黒人モデルたち:ジェリコーからマチスまで』

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 パリのオルセー美術館で開催されている特別展、『黒人モデルたち:ジェリコーからマチスまで』(注1)が、世界の美術愛好家たちの注目を集めている。元々はアメリカの大学で美術史を研究していたデニーズ・ミュレル(Denise Murrell)の博士論文が出発点となったこの展示は、「美術史のなかにブラック・アイデンティティが確立される必要がある」という観点から、19世紀における黒人モデルたちに焦点をあて、その社会的地位やコミュニティーの対応、奴隷制度廃止との関係性などを紹介しながら芸術作品と作家を論評する。作品の背後に隠されている社会的、政治的、そして人種にまつわる事情を掘り下げ、総合的にアプローチするというダイナミックな新分野が、近代絵画史に誕生したのだ。
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アラン・ショアの死刑廃止論『ボストン・リーガル』(その3、連邦最高裁判所)

  前回に引き続き、『ボストン・リーガル』でアラン・ショアが死刑廃止論を披露した3回目のエピソードを取り上げる(シーズンⅣ第17話)。ある日、アランの上司が「君に新しい依頼だ」と声をかけてくる。「8歳の継娘をレイプした事件だ」と説明されて、「それは断る」と即座に答えるアランだったが、上司は「連邦最高裁にかかっている死刑事案なんだ」という。このやり取りから米国の視聴者は、『ケネディ対ルイジアナ州事件』を番組で取り上げるのだなと理解する。1998年に起こった事件で、当時8歳だった継娘を非常に残虐なやり方でレイプしたとして、被告のパトリック・オニール・ケネディは否認したまま死刑判決を受けた。2008年、連邦最高裁での上告審では、少女へのレイプが被害者を死に至らしめなかった場合でも極刑に相当するかどうか、という点が争われ、同年6月、「合衆国憲法修正第8条(残酷で異常な刑罰の禁止)は、児童に対するレイプ事件で実行犯に殺意がなくかつ被害児童が死亡しなかった場合には、死刑を科すことを認めていない」、という判断が下された。
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アラン・ショアの死刑廃止論『ボストン・リーガル』(その2)

 前回に引き続き法廷ドラマシリーズ、『ボストン・リーガル』で死刑問題が取り上げられたエピソードを紹介する。2006年秋に放映された「Trick or Treat」(シーズンⅢ第7話)は弁護士、ジェリー・エスピンソン(クリスチャン・クレメンソン)が死刑反対論者であるために苦しむストーリーだ。ジェリーは善人がほとんど登場しないこのシリーズでは稀な「善意の塊」である。非常に有能でもあるのだが、自らのアスペルガー症候群との葛藤で思わぬトラブルを起こしては、いつもアラン・ショアに助けてもらっている。そのジェリーがアランの事務所に飛び込んでくる。偽証罪に問われそうだというのだ。
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アラン・ショアの死刑廃止論『ボストン・リーガル』(2004-2008米国TVドラマ)

 前回、背景音楽に批判的なことを書いたので、今回は優れた背景音楽のおかげで出会ったドラマについて書いておく。米国のTVドラマ、『ボストン・リーガル』(“Boston Legal”、2004-2008年、脚本デビッド・E・ケリー)だ。筆者はこのシリーズをまったく知らなかったのだが、偶然耳にした斬新なテーマ音楽が気になり、当時滞在していたドイツの大型電器店で平積みになっているDVDをディスカウントで購入した。出演者は総じてかなりいかれているという、コメディ仕立ての法廷ドラマである。高級スーツに身をつつんだ弁護士たちが、みっともない失態をさらけ出し、おふざけを乱発する。それでいて米国社会の問題点や法廷の矛盾、残酷な常識などに鋭く切り込んでいくプロットが同時進行する話の展開は実に見事だった。あまりに面白いのでシリーズDVDを次々と購入し、おなかの皮がよじれるほど笑わせてもらった。役者陣が何度もエミー賞を取っている古典に分類できるシリーズだが、日本で放映されたかどうかは知らない。

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刑期を終えた元性犯罪者を地域は受け入れられるか。『Little Children』の重い問いかけ

 ずい分前に見た映画の一シーンがあまりにも衝撃的で心に残っていたが、その題名を思い出せないでいた。最近、偶然に作品のタイトルがわかったので、とりあえず書いている。問題の場面はこうだ。若い頃に小児性愛で有罪になり、長いこと刑に服していた男が出所して地元に帰ってくるが、地域住民はその話題を避けている。ある日、家族連れでにぎわう市民プールで群衆にまざって泳いでいる男を母親たちが見つけ、騒然となる。大パニックだ。大人も子どもも狂ったようにプールから上がり、その男は一人プールの真ん中に取り残されて呆然としている。
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【論文紹介】『インターネット時代における欧州極右の台頭』:極右出版”アークトス”の場合

 2018 年2月以降、ネット上に投稿された論文、『インターネット時代における欧州極右の台頭』は、ヨーロッパにおける極右出版とその最新事情について批判的に論考したものである。出典や参考文献を駆使し、ネット上および出版界における過去のイデオロギーとの連結やカルトの影響、ヨーロッパ新右翼およびアメリカのオルタナ右翼(alt-right)との関連性などを、多岐にわたって論じている。著者のLouie Dean Valencia-Garciaはテキサス州立大学の歴史学アシスタント・プロフェッサーで、専門はデジタル・ヒストリーとヨーロッパおよびスペイン・地中海地域の多国籍な歴史。
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闘う障がい者、1980年前後

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 バニラエアで起こったひどい障がい者差別事件におどろいている。上に掲載したのは今から40年近く以前に、青い芝の会をはじめとする車イスの面々が当時の厚生省ロビーに集合し、抗議している写真である。撮影したのは私。正確な年月日は不明だが80年か、あるいはその前後2年ぐらいのものだろう。ネガは家のどこに仕舞い込んでしまったのやら、紙焼きも数枚しか見つからないが、闘う障がい者のカッコ良さが写っているのでとりあえず公開する。当時は東京でも大阪でも、車イスの男女が自主的に集まり、ありとあらゆる意味での社会の段差を取り払おうと声をあげていた。役所との交渉は激しい怒鳴り合いになったりもしたが、その緊張の中に不思議な開放感を感じる時代でもあった。
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【ウィシュマさん国賠名古屋地裁第2号法廷】
12月から医師等4名証人尋問
■2025年
12月04日(木)14:30~
12月11日(木)14:30~
12月24日(水)10:30~
■2026年
1月14日(水)10:30~
1月28日(水)10:30~
 **************

※対ロシアが上手くいかなくて踵をかえしてベネズエラ。これも事実上失敗で今度はイラン。精神鑑定と24時間カウンセリングが必要な深刻な症状だと思う。

※なるほど。80年前は「現人神」に命を捧げた幼稚な民族が今度は「真のお母様」に骨までしゃぶられたってことか。

※誰かネタニヤフのことを「凡庸な悪」と言う人いる?

※原爆を落とさなくても日本は降伏していたが戦後史も変わっていただろう。まず無条件降伏までの日程が延びてソ連軍が北海道を制圧し場合によっては南進する。戦後処理は日本のどこかで南北にぶった切ってドイツのように分割する形で終結した可能性が高い。その場合、朝鮮半島の分断という悲劇はひょっとしたら免れたかもしれない。どちらにしろ日本はこの戦争で近隣諸国に多大な迷惑をかけた。《続編》もちろんそれでも原爆は落とさない方が良かったに決まっている。我が国は日本連邦共和国と日本民主主義人民共和国の二つに分かれただけだから。バラライカ弾いてカチューシャを歌って結構楽しく暮らせたと思う。

画像は西鶴一代女(1952年東宝:溝口健二監督)のスチールに自動着色+手修正

日独韓伊の米軍基地

《国会オンライン中継録画》
◎衆議院インターネット審議中継

◎参議院インターネット審議中継


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戦争の彼方
¥1650(税込)


ウィーンへの帰還
¥1650(税込)


赤いオーケストラ
¥1650(税込)


革命の内側¥1650(税込)

当研究所制作の美術書

10月1日発売開始
2026年カレンダー:読書の風景¥550(税込)

ミケランジェロ素描集
¥1650(税込)


テオドール・ジェリコーの習作
¥1650(税込)


モーティマー・メンペス作品選Ⅱ:ブルターニュ
¥1210(税込)


モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と
¥2530(税込)


ドラクロワ素描集
¥1100(税込)


本を読む
ジャカルタ・メソッド : 反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦(ヴィンセント・ベヴィンス著)

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