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学問・科学
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ナッソーの水上市場(1885)

カーニバルの装束(1877)
上の作品はアフリカン・アメリカンの間で恒例の仮面舞踏祭、ジャンカヌー(Junkanoo)を描いた1877年の油絵である。右下の少年が星条旗を握っているのは、このお祭りが7月4日に重ねて開催されていたかららしい。子供たちの姿から、奴隷解放宣言から15年ほどたつにもかかわらず、生活は楽ではなかったことがうかがえる。
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溝口健二は1929年、大阪朝日新聞社からの依頼を受けて創立50周年記念無声映画、『朝日は輝く』を監督作成した。一見ドキュメンタリー風だが、実は脚本・俳優を使った宣伝用創作映画で、太秦で撮影されたモキュメンタリ―である。とはいえ大阪朝日新聞社印刷所の実写も大胆に挿入され、当時の輪転機や鋳型活字、植字工の働きぶりなど、非常に興味深い映像となっている。
残念なことに作品の大半は紛失してしまい、現存する25分ほどの無音リールも画像は決して鮮明とはいえないが、貴重な映像資料として取りあげることにした。以下に紹介するのは作品の一部分で、背景音楽は弊研究所が加えたものである。
スピード感あふれる迫力満点の画面からは、無声でもここまで魅せる溝口の底力を目の当たりにできる。1929年当時の映画製作水準はなかなか高かったのだ。また、「エイゼンシュテインを見ていたのか」と思わせるようなカメラワークもあるが、『戦艦ポチョムキン』等の作品は日本では1950年代まで封殺されていたそうだから、溝口は見ていなかったはずだ。その辺りの事情は研究者のほうが詳しいだろう。
原作:大阪朝日新聞
監督:伊奈精一、溝口健二
脚本:木村千疋男
撮影:横田達之、対島寅雄
出演者:中野英治、村田宏寿、沢蘭子、斎藤紫香
(他に土井平太郎、入江たか子などの出演記録が残っているが今回抜粋した部分には登場していないと思われる)
なお、この作品の今回取りあげなかった部分には、大陸に拡大していく日本の物資輸送の実写もふくまれている。日活の資料によると元作品は77分だそうで、現存しないのがまことに残念である。
👇溝口健二『朝日は輝く』より抜粋👇
(モノクロ無声・背景音楽は付加)
昭和初期の新聞はこうやって作られていた。溝口健二監督宣伝フィルム、『朝日は輝く』。 (29 Jun 2024、13分31秒、YouTubeより。画面右下の▢で大画面になります)
以下に並ぶ記事は、クラシック音楽の世界で生じた不祥事の数々である。どれも非常に深刻な事件なのになぜか世間は忘れたがるので、備忘録として載せておく。主観的な注釈は避けるが、若い音大生たちは身の回りに腑に落ちないことが起こったら、必ず友人や信頼できる大人に相談すること。たいていのケースに余罪がある。
行動支配と感情的な虐待:クラシック音楽の教授法は壊れているのか?音楽学生が初めて語り始める経験(2023年7月11日、The Standard)
Controlling behaviour, emotional abuse – is classical music teaching broken?
Music students are speaking out about their experiences during their studies, many for the first time
偽終止:元音楽学生がジュリアードの複数の教師を性的非行で告訴 (2022年12月13日、npr, Deceptive Cadence)
Former music students accuse two Juilliard teachers of sexual misconduct
チータム音楽学校の性的虐待取り調べ:「広範囲の虐待」報告が30件以上(2013年5月8日、The Independent)
Chetham music school sex inquiry: More than 30 report 'widespread abuse'
39 teachers from several schools under investigation in relation to sexual abuse allegations
フランシス・アンドラーディ審問:性的虐待事件被害者のバイオリニストは「私が裁判にかけられている気分よ」と夫に語った(2014年7月7日、Manchester Evening News)
(※アンドラーディは権威ある聖歌隊指揮者に性的虐待を受けた過去を告白、裁判に訴えていた最中の2013年1月に自殺した。)
Musician had spiralled into 'incredible despair' over court case involving her pervert former music teacher Michael Brewer, hearing is told
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1963年5月、軍縮とNATOからの撤退を呼びかけるギリシアの左派政治家、グリゴリス・ランブラキス(1912-1963)がテッサロニキで暗殺され、民衆の怒りは大きな抗議行動につながっていった。『Z』(1969年:アルジェリアとフランスの合作)はこの事件のドラマ映画化で、アカデミー賞を2部門で獲得している。日本でもすぐに公開され、その後しばらくはあちこちの名画座で繰返し上映されていたのだが、今ではすっかり忘れ去られてしまったようである。なお、タイトルの「Z」はギリシア語の”Ζει”、「彼は生きている」を意味し、ギリシア民衆の抵抗運動を象徴する標語にもなっている。
監督のコスタ・ガブラス
今、ウクライナ=ロシア間の戦争のひとつの原因になっているドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国は、2014年に独立を宣言したものの、西側諸国からは未だに承認されていない。ところが過去にはウクライナの近隣で、独立宣言が米英欧諸国から即座に承認された小国がいくつかある。1991年から1992年にかけて旧ユーゴスラビア領から独立した国々である。これら小国の独立は、1999年のNATO軍による空爆につながっていった。この過程を説明してくれるドキュメンタリー、『鎖の重さ』(2011、The Weight of Chains)を今回は紹介する。

1999年、NATOの爆撃を受けるユーゴスラビアのノヴィサド製油所Attribution-ShareAlike 3.0 Unported (CC BY-SA 3.0)
続きを読むウテ・ボック(Ute Bock、1942-2018)は生涯にわたって難民を助け続けた稀有な女性である。元々ボックはウィーンの青年保護センターで教育者として働いていた。だが、周囲に多くの外国人が集まるようになり、いつしか難民に対する人道的援助に携わるようになる。さらに数々の制約に対処するため、『難民プロジェクト:ウテ・ボック』というNGO団体を設立。以来、難民が住める共同体を自費で運営し、駆け込んでくる難民に住居や食料を与えるのみならず、法的援助も行なった。100部屋を有する彼女のアパートには350人の難民が寝泊りし、1000人のホームレスが宛先住所として登録していた。NGOの資金は「Bock auf Bier」(「ビールが欲しい」ぐらいの意味。Bock Beerというビールの名前にかけている)という、ビールの代金の一部が寄付されるキャンペーンで支えられた。NGOの活動はボック亡き後も続いている。
Houchang Allahyari (l.) mit Ute Bock und seinem Sohn Tom-Dariusch Allahyari bei der Vorpremiere von Bock for President (Viennale 2009)Attribution-ShareAlike 3.0 Unported (CC BY-SA 3.0)
続きを読む《TIME:2021年1月9日報道》ウクライナの白人至上主義武装組織の内情(取材は2019年夏に行なわれたもので、米国報道陣ははるか以前から知っていたという事になる)
Inside A White Supremacist Militia in Ukraine(TIME、8分12秒、Youtubeより。画面右下の▢で大画面になります)続きを読む
亀井文夫は面白い人物で、戦中は強い反戦思想に基づいて映画を制作していたわけではない。もちろんそんな事はできるはずもなかったのだが、その代わりに割とまじめに国策協力映画を作ろうとした。おそらく当時の知識人の大半がそうだったように、「こんな戦争はだめだ」と内心では思いながらも大戦景気にあやかり、時代に飲み込まれながら何とかうまく生きる道を選んだのだろう。著書『たたかう映画』(1989)を読むかぎり、ドキュメンタリーにおける方法論も今日的観点からは必ずしも肯定できるものではないし、それでも人間としての最後の一線は越えないようギリギリの映画作りをしていた様子が、文脈からうかがえる。

亀井文夫(1908-1987)
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馬をたくさん描いた画家の代表格は、やはりトゥールーズ=ロートレックだろう。当時の生活に不可欠であった乗り物としての馬、狩猟の道具としての馬、乗馬の友としての馬を、非常によく好んで描いている。その動きの正確さは言うにおよばず、馬という動物をよく知っている描き方である。現代人は馬と共に生活をしていないから分かりにくいかも知れないが、猫好きが猫のしぐさや癖をよく知っているようなものだ。パリでの屈折した生活や、キャバレーやサーカスのポスターのほうが有名な画家ではあるが、故郷アルビの生活とともに描かれた馬は、彼の内面をよりよく説明してくれる。
トゥールーズ=ロートレックは馬を好んで描いた。この作品では馬が「だく足」であることがわかる。

レオナルド・ダ・ヴィンチ『アンギアリの戦い』
ジョン・ピルジャー監督(John Pilger)の2016年作品、『対中国戦争』(The Coming War on China)は、中国包囲を念頭に東アジア各国に軍を配置する米国の戦略について、現地住民の立場から検証するドキュメンタリーである。沖縄にも取材し、辺野古の島袋文子氏や彫刻家の金城実氏などがカメラに収められている。取材は日本にとどまらず、核被爆したビキニ諸島の住民や、海軍基地に反対する済州島の人々など、広範囲におよぶ。内容は2016年時点で公開された作品として見てほしい。
(1)プロローグ

(図1)米軍による中国包囲網(映画からのスクリーンショット)
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モーティマー・メンペス
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新たに大型本画集、『モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と』を発行しましたので、紹介いたします。
A4版美術書 ¥2,530(税込み)、68ページ全カラー・日本語
収録画数85点・発行:ヨハンナ比較文化研究所
2021年10月25日発売開始
日本女性が戦後、初めて普通選挙に参加した様子をとらえたニュース映像が、アメリカ国立公文書記録管理局(NARA)に残っていた。どんなものかと興味をもって観てみると、記述にどうも不正確なところがある。背景などを調べるうちに、当時放映されていた「The United Newsreel」という一連のニュース番組自体が、米国内外への反共宣伝のために使われていたということがわかってきた。
アーカイブを公開しているNARAのカタログには、「4月10日選挙運動と集計、共産党が暴徒を首相公邸に駆りたてる」との要約がある。そして公文書管理専門家はこの一連のニュース映像について、「1942年6月から1946年9月までの連合国側の行動を1話から9話までの合計約9分にまとめ、毎週一回公開したもので、徹底して誇張したプロパガンダ様のナレーションが加えられている」(出典参照)と解説している。
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1946年、GHQは占領政策の一環である民主化を促進するために、皇居前広場での第17回統一メーデー開催を許可した。この短編記録映画は、当時の様子を米国空軍配属のカメラマンが撮影したものである。戦争が終わってまだ一年、平和な生活と繁栄を求めて立ち上がる人々の表情は意外に明るく、希望に満ちている。また、様々な人がデモに参加する中、釈放されたばかりの政治家たちが力強く演説する様子を、カラーでとらえたカメラマンの腕は確かだ。最後のほうには、衆議院議員選挙に初めて投票する女性有権者の姿も写っている。
久しぶりに『ボストン・リーガル』を取りあげる。2008年米国大統領選の最中に放映されたシーズン4エピソード18で、二大政党制による選挙がかかえる問題点を指摘している。
予備選進行中のある日、アラン・ショアの上司、シュミット(キャンデス・バーゲン)が突然、「甥のミッチーを訴えたい」と泣きついてきた。理由はこうだ。ミッチーはマサチューセッツ州のある選挙区で民主党予備選挙の誓約代理人をやっている。予備選ではヒラリー・クリントンが選ばれたのだが、ミッチーはバラク・オバマのほうが良いと信じており、選挙区民を裏切ってでもオバマに投票すると言い始めた。シュミットはこれを止めるべく、アランに法廷での弁護を依頼したわけだ。そこでアランが選んだ戦術は、民主党を訴えるという奇策だった。

2008年ワシントン州予備選挙の様子(Joe Mabel, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons)
内容を紹介する前に、このドキュメンタリーはユーチューブ上で公開されていて誰でも無料で鑑賞できるが、それを妨害する動きがあるということに触れておく。9月7日、ダントツの調査報道で一目おかれているマックス・ブルメンタール率いるウェブサイト、《グレイゾーン》(The Grayzone)がこのドキュメンタリーについての長文記事を掲載した。クリーン・エネルギー産業に大資本が群がっていることを指摘したこの作品が、ユーチューブから引きずり降ろされようとしている、という内容だ。これを読むまで制作者のマイケル・ムーアは何が起こっているのかまったく知らなかったらしく、The Hillというインターネットニュースの番組インタビュー(Rising)で、以下のように述べている。
すごい記事だ。僕たちが尊敬している億万長者たちが環境保護運動を牛耳ろうとしていることを映画の中で指摘されたからといって、そして環境保護運動のリーダーたちがそれに乗っかっていることを指摘されたからといって、彼らが9000語の調査書を作成してユーチューブからこの映画を排斥しようとしているなんてね。このドキュメンタリーはすでにユーチューブで900万人が視聴していたんだけど、(この事件の)おかげで他のサイトも含めて1200万人になっちゃった。そしてさらに多くの人が観るようになったよ。

(風力発電の画像。紹介している映画からのものではありません)
今週の拾い読み
【沖縄】****************
【昨日のオンライン拾い読み】はこちら
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【資料・長文記事】NED(全米民主主義基金)に関するファクトシート(中華人民共和国外交部、2022年5月7日) Fact Sheet on the National Endowment for Democracy (Ministry of Foreign Affairs of the People’s Republic of China)
【「人間の大地で、今」50回シリーズ】命を守る「難民認定」と「在留特別許可」外国人の長期収容・送還問題を考える(日本カトリック難民移住移動者委員会) https://www.jcarm.com/resources/terre-des-homme/
勝手におすすめビデオ
ドキュメンタリー「フツーの仕事がしたい」2008年作品、監督:土屋トカチ、70分カラー勝手におすすめサイト
早稲田大学・水島朝穂のホームページ
【ウィシュマさん国賠名古屋地裁第2号法廷】
12月から医師等4名証人尋問
■2025年
12月04日(木)14:30~
12月11日(木)14:30~
12月24日(水)10:30~
■2026年
1月14日(水)10:30~
1月28日(水)10:30~ **************
※対ロシアが上手くいかなくて踵をかえしてベネズエラ。これも事実上失敗で今度はイラン。精神鑑定と24時間カウンセリングが必要な深刻な症状だと思う。
※なるほど。80年前は「現人神」に命を捧げた幼稚な民族が今度は「真のお母様」に骨までしゃぶられたってことか。
※誰かネタニヤフのことを「凡庸な悪」と言う人いる?
※原爆を落とさなくても日本は降伏していたが戦後史も変わっていただろう。まず無条件降伏までの日程が延びてソ連軍が北海道を制圧し場合によっては南進する。戦後処理は日本のどこかで南北にぶった切ってドイツのように分割する形で終結した可能性が高い。その場合、朝鮮半島の分断という悲劇はひょっとしたら免れたかもしれない。どちらにしろ日本はこの戦争で近隣諸国に多大な迷惑をかけた。《続編》もちろんそれでも原爆は落とさない方が良かったに決まっている。我が国は日本連邦共和国と日本民主主義人民共和国の二つに分かれただけだから。バラライカ弾いてカチューシャを歌って結構楽しく暮らせたと思う。

日独韓伊の米軍基地

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