ヨハンナ比較文化研究所
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小説

ソビエト体制を批判したブルガーコフのSF小説『犬の心臓』の映画化(1988)

 ミハイル・ブルガーコフ(1891-1940)は、ロシア帝国下のキエフ(今のキーウ)に生まれた。両親はともにロシア人で、父親はキエフ神学アカデミーの教授、母親は教師という家庭だった。ミハイルは医学部卒業後、ロシアの農村で働き始め、内戦時代には白軍・赤軍双方に医者として従軍したが、重篤なチフスを患った後、作家となる。

 1925年に一部が発表された自伝的小説『白衛軍』は好評を得て、舞台劇にもなった。ところが続いて発表した『運命の卵』(1925)と『犬の心臓』(1925)というSF小説が、どちらも共産主義革命を批判する内容であったため、発禁処分となる。その後、ブルガーコフの作品は、『巨匠とマルガリータ』を含めてほぼ全て、闇に葬られた。60年以上におよぶ封印を経た1988年、『犬の心臓』はペレストロイカに揺れるソビエトのテレビ局によって命を吹きかえした。ドラマ映画としてソビエト中に放映されたのである。今回はこの作品を取りあげる(注1)。

注1:『犬の心臓』は出版する前に検閲で発禁処分となり、原稿は没収された。その後、1960年代に英国とドイツで出版されている。映画化はソビエト連邦に先立って1976年、イタリアで実現している。タイトルは『Cuore di cane』で主演はマックス・フォン・シドー。こちらはソビエト版より軽いノリの喜劇になっている。ソビエト版テレビ映画のロシア語タイトルは『Собачье сердце(英語版では『Heart of a Dog』)、1988年Ленфильм制作、Владимир Бортко監督、モノクロ2時間16分。おそらく2回に分けて放送されたと思われる。

Михаил-Булгаков
ミハイル・ブルガーコフ
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『死せる魂』(1984)ゴーゴリの社会風刺小説を映画化

 ここのところ、ウクライナ南東部のヘルソンという地域でのロシアとウクライナの戦闘がよくニュースになっている。人口調査によると、この地域では76.4%がウクライナ人で20.0%がロシア人と自認している一方、ロシア語人口は45.3%にのぼる。つまり自覚的ウクライナ人でもロシア語をしゃべっている割合がかなり多いのだ。歴史的事情によると思われるが、実はこの土地が登場するロシア文学の古典がある。ニコライ・ゴーゴリ(1809-1852)の『死せる魂』である。世界中のロシア文学好きに人気がある作品で、これまでに何度も映画化されており、今回はその中から1984年ソヴィエト版TVシリーズ(5話:6時間28分)を取りあげる。監督はミハイル・シュバイツェルで、主人公のチチコフを演じるのはアレクサンドル・トロフィモフ。ロシア内戦時代における映画界の混乱を描いたドラマ映画、『愛の奴隷』(1976年、ニキータ・ミハルコフ監督)でも好演している癖の強い俳優である。ヘルソン州が登場するのは種明かしに近い後半部分なので、今しばらく辛抱を。


dead souls 1984
映画からの低解像度スクリーンショット

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ドイツ映画『コリーニ事件』イタリア人容疑者の謎にせまるダイナミックな法廷劇

 ドイツ映画『コリーニ事件』(2019年)は、ナチスの犯罪に関する時効問題をあつかったフェルディナンド・フォン・シーラッハの同名ベストセラー小説(2011年)の映画化だ。主役のカスパー・ライネンを演じるのは、エリヤス・エムバレク(Elyas M’Barek)。トルコ系の若手弁護士という設定を、魅力的に演じている。そして冒頭のシーンで、澄みきった青い空のような目のアップを見せてくれるのが、往年のマカロニ・ウエスタン俳優、フランコ・ネロである。なかなかいい年寄りになっている。

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Franco Nero, 36th Fajr International Film Festival. 20 April 2018

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ウーリー・オルレブ『走れ、走って逃げろ』の映画化(2013年)

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 戦時下ポーランドにおける実在のユダヤ人少年の逃避行をもとに、ウーリー・オルレフが執筆した児童文学、『走れ、走って逃げろ』(岩波少年文庫・母袋夏生訳)がぺぺ・ダンクァート監督によって映画化された。劇場上映用の邦題は『ふたつの名前を持つ少年』になっているが、原題が小説、映画ともに"Biegnij, chlopcze, biegnif/Lauf, Junge lauf/Run, boy run"(順にポーランド語・ドイツ語・英語)となっていることに加え、岩波少年文庫版がすでに定評のある作品として巷に出回っているので、あえてここではわかりやすい題名、 『走れ、走って逃げろ』で紹介する。
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『マリオと魔術師』(1994)トーマス・マン原作映画

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『マリオと魔術師』(Mario und der Zauberer,1994)は、大衆を扇動する人物を描いたトーマス・マンの短編小説の映画化。監督は、自らも主演しているクラウス・マリア・ブランダウアー。(写真は以下より引用。"Klaus Maria Brandauer Viennale 2012 a" by Manfred Werner / Tsui - Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons - https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Klaus_Maria_Brandauer_Viennale_2012_a.jpg#/media/File:Klaus_Maria_Brandauer_Viennale_2012_a.jpg)
 原作は1930年に執筆され、ファシズムを皮肉った風刺文学である。イタリアに取材していることもあって、『ヴェニスに死す』の原型になる風景も描かれているが、『マリオ・・・』のほうは政治的色彩が強い。小説での語り部、「私」は映画にはフューマン教授として登場。ナショナリズムの色彩が濃くなっているイタリアのリゾート地を家族とともに訪れる。画面全体にヴィスコンティ作品のような雰囲気が漂っているのも、なかなか味わい深い。
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ギュンター・グラス(16 October 1927―13 April 2015)逝去

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 ドイツの作家、ギュンター・グラスが4月13日、他界した。映画が大ヒットした『ブリキの太鼓』の原作をはじめとする”ダンツィヒ三部作”など、優れた作品を多数残した。また、SPDの支持者としての発言も盛んにおこなった。いっぽうで自身が過去にナチス武装親衛隊員として闘ったことを2006年の作品、『玉ねぎの皮をむきながら』で初めて告白、78歳になるまで自己の過去について告白しなかったことから激しい批判をあびた。
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【ウィシュマさん国賠名古屋地裁第2号法廷】
12月から医師等4名証人尋問
■2025年
12月04日(木)14:30~
12月11日(木)14:30~
12月24日(水)10:30~
■2026年
1月14日(水)10:30~
1月28日(水)10:30~
 **************

※対ロシアが上手くいかなくて踵をかえしてベネズエラ。これも事実上失敗で今度はイラン。精神鑑定と24時間カウンセリングが必要な深刻な症状だと思う。

※なるほど。80年前は「現人神」に命を捧げた幼稚な民族が今度は「真のお母様」に骨までしゃぶられたってことか。

※誰かネタニヤフのことを「凡庸な悪」と言う人いる?

※原爆を落とさなくても日本は降伏していたが戦後史も変わっていただろう。まず無条件降伏までの日程が延びてソ連軍が北海道を制圧し場合によっては南進する。戦後処理は日本のどこかで南北にぶった切ってドイツのように分割する形で終結した可能性が高い。その場合、朝鮮半島の分断という悲劇はひょっとしたら免れたかもしれない。どちらにしろ日本はこの戦争で近隣諸国に多大な迷惑をかけた。《続編》もちろんそれでも原爆は落とさない方が良かったに決まっている。我が国は日本連邦共和国と日本民主主義人民共和国の二つに分かれただけだから。バラライカ弾いてカチューシャを歌って結構楽しく暮らせたと思う。

画像は西鶴一代女(1952年東宝:溝口健二監督)のスチールに自動着色+手修正

日独韓伊の米軍基地

《国会オンライン中継録画》
◎衆議院インターネット審議中継

◎参議院インターネット審議中継


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