ヨハンナ比較文化研究所
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ドキュメンタリー

実写カラーで見る1946年の皇居前メーデーと初の女性参加選挙(画質修正)

K Tokuda

 1946年、GHQは占領政策の一環である民主化を促進するために、皇居前広場での第17回統一メーデー開催を許可した。この短編記録映画は、当時の様子を米国空軍配属のカメラマンが撮影したものである。戦争が終わってまだ一年、平和な生活と繁栄を求めて立ち上がる人々の表情は意外に明るく、希望に満ちている。また、様々な人がデモに参加する中、釈放されたばかりの政治家たちが力強く演説する様子を、カラーでとらえたカメラマンの腕は確かだ。最後のほうには、衆議院議員選挙に初めて投票する女性有権者の姿も写っている。

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『マニ・プリーテ:汚れてない手』(2014)腐敗汚職でイタリア第一次共和制が崩壊した話

 1992年2月17日、マリオ・キエーザというミラノの実業家が収賄の現行犯で逮捕された。いきさつはこうだ。キエーザはバギーナ(★記事末尾を参照)というケアハウスを経営していたが、地域の小さな清掃会社と契約をかわした際、社長のルカ・マンニに手数料として5%を要求する。一旦は承諾したものの、キエーザの要求額がどんどん上がっていくことに困りはてたマンニは、ミラノ地方検事のアントニオ・ディ・ピエトロに相談する。ディ・ピエトロはマンニ同意のうえ、現金の入ったブリーフケースに隠しマイクを仕掛ける。こうしてキエーザは、700万リラ(当時の日本円換算で約73万円)の賄賂を受け取った現場を押さえられた(注1)。

 

 実はキエーザは、イタリア社会党(PSI)書記長であるベティーノ・クラクシの秘書をやっていた。当時、政治家への賄賂は広く行なわれていたため、キエーザの供述を手がかりに他の議員たちも次々と逮捕されることになる。俗に「タンジェントポリ」(汚職の街)と呼ばれたこの悪しき慣習に対する一連の摘発は、「マニ・プリーテ」(汚れてない手)と名付けられた。捜査の手はまたたく間に全国におよび、5000人が取調べを受け、500人の元国会議員が巻き込まれ、多くが逮捕されたり自殺に追い込まれたりした。判事の殺害事件も起こっている。

 

 2004年に制作されたドキュメンタリー、『マニ・プリーテ』(Mani Pulite)では、監督のアンドレア・パムパラーナ(Andrea Pamparana)が当時を知る政治家や検事、メディア関係者などに幅広くインタビューし、キリスト教民主党やイタリア社会党が解党して第2共和政へと移行していく経過を検証しながら、その今日的意味を問う。全編に流れるヘクター・ユリシーズ・パッサレラ(Hector Ulises Passarella)のバンドネオン演奏も、なかなか心地よい。

 

(注1)逮捕時に使われたブリーフケースは2007年のチャリティー・オークションにかけられ、市長が5000ユーロで競り落としたという後日談がある。

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新ドキュメンタリー『アイヒマンと共犯者』ドイツ第1テレビで放映中

 ミュンヘンの市立公文書館にカメラが入る。そこにはナチスドイツにおける大量殺人犯で、アイヒマンの共犯者でもあるフランツ・ヨゼフ・フーバー(Franz Joseph Huber)の名前が記録されている。だがこの人物についての詳細は、戦後史からほぼ抹殺されてきた。番組のナレーターは、「この報告はあまりにも衝撃的なので、私たちはひとつの番組にすることにしました。過去の収容所の責任者が戦後、私たちの街でその正体をあばかれることなく普通に暮らしていたのです」、と紹介している。

 

 アイヒマンがエルサレムで公開裁判の後に処刑されたのと対照的に、フーバーは戦後もミュンヘンで罪に問われることなく、実名で普通に暮らし、生涯を終えた。これは、なぜそのようなことが起きたのかを追う最新のドキュメンタリーである。『Eichmann und sein geheimer Komplize』というタイトルで、4月7日よりARDのインターネット・サイトで放映されている。

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『銀行家のための芸術ガイド』(2016)絵画に群がる投資家を観察するBBCドキュメンタリー

 冒頭からヨハン・シュトラウスのワルツ、『芸術家の生活』のお金持ちっぽい優雅な響きにのって、BBCらしい模範的なクィーンズ・イングリッシュのナレーションが始まる。といっても声の主はコメディアンのスティーブン・マンガンStephen Manganなのだが。

 貴方のためにこの映画を作りました。そう、若い銀行家のあなた。もうお気づきかと思いますが、今日日、芸術市場はなかなかおいしいのです。株や複雑な投資商品よりも優良だ。なぜなら芸術作品の価格は10年前の倍、いや場合によっては20倍もに跳ね上がっていますからね。それにしてもロンドンの銀行家は幸運だ。だって目の前に世界有数のオークション会場があるじゃないですか。

   

 この2016年制作のテレビ番組、『銀行家のための芸術ガイド』(A Bankers Guide to Art)は、いわば「文化のカジノ」のような美術市場で資産をころがす世界中の投資家たちの金が有り余ってしょうがない優雅な生活を日々のおかず代にも四苦八苦している私たち庶民に覗き見させてくれるサービス満点のドキュメンタリーである。

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クリスティーズ:18世紀に設立されたロンドンのオークションハウス

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フリッツ・バウアー:自国の過去の犯罪を裁き続けた検事

 フリッツ・バウアーといえば、アイヒマンを追い詰めた男というイメージがどうしても先行する。だが、彼が検事として成し遂げた偉業はもっと広範にわたる。まず、野放しになっていたナチスの残党を法廷に引きずり出し、アウシュビッツ裁判によってホロコーストの実態を国民に知らしめ、若い世代に働きかけて人間としての正しい道を指し示した。この優れたユダヤ系ドイツ人についてはドラマ映画、ドキュメンタリーともに複数本あるが、その中からキャサリン・バーンスタイン監督の最新ドキュメンタリー、『フリッツ・バウアー:ナチズム vs. 検事』(注1)を取り上げる。

 この作品は2018年にフランスで制作された。フランス語の原題は”Fritz Bauer : un procureur contre le nazisme”だが、ドイツ語版のタイトルは”Fritz bauer : Generalstaatanwalt. Nazi-Jäger” 。バプティステ・ティリ(Baptiste Thiry)のテーマ音楽が印象的で、音楽だけの市販もされている。

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『ロッセッリ事件:ある政権の犯罪』暗殺されたイタリア人レジスタンス兄弟

 「父と叔父が殺された1937年6月9日、は生後40日目だった」、と語るのはカルロ・ロッセッリ(1899-1937)の息子、アンドリューである。ロッセッリはファシストとペンで戦った自由社会主義提唱者で、亡命先のフランスで弟のネッ・ロッセッリ(1900-1937)とともに惨殺された。TV映画『ロッセッリ事件:ある政権の犯罪』(Il Caso Rosselli=Un Delitto Di Regime, 2007)は、反ファシスト運動に殉じたカルロとネッ冒険に満ちた軌跡をアンドリューともにたどることによって、ムッソリーニとファシストの蛮行を検証し、その戦後社会への余波を見極める胸を打つドキュメンタリーである。


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カルロ・ロッセッリとネッロ・ロッセッリ

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『人類の惑星』(Planet of the Humans 2020)再生可能エネルギーにまつわる残念な話:マイケル・ムーア制作

 内容を紹介する前に、このドキュメンタリーはユーチューブ上で公開されていて誰でも無料で鑑賞できるが、それを妨害する動きがあるということに触れておく。9月7日、ダントツの調査報道で一目おかれているマックス・ブルメンタール率いるウェブサイト、《グレイゾーン》(The Grayzone)がこのドキュメンタリーについての長文記事を掲載した。クリーン・エネルギー産業に大資本が群がっていることを指摘したこの作品が、ユーチューブから引きずり降ろされようとしている、という内容だ。これを読むまで制作者のマイケル・ムーアは何が起こっているのかまったく知らなかったらしく、The Hillというインターネットニュースの番組インタビュー(Rising)で、以下のように述べている。

 

 すごい記事だ。僕たちが尊敬している億万長者たちが環境保護運動を牛耳ろうとしていることを映画の中で指摘されたからといって、そして環境保護運動のリーダーたちがそれに乗っかっていることを指摘されたからといって、彼らが9000語の調査書を作成してユーチューブからこの映画を排斥しようとしているなんてね。このドキュメンタリーはすでにユーチューブで900万人が視聴していたんだけど、(この事件の)おかげで他のサイトも含めて1200万人になっちゃった。そしてさらに多くの人が観るようになったよ。


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(風力発電の画像。紹介している映画からのものではありません)

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『TrustWHO』(”WHOを信じなさい/信じるって誰を”)2016年ドキュメンタリー

 WHO(世界保健機関)の新型コロナウイルス対策が、毎日のように流れてくる。感染症についての知識がない私などは、とりあえずWHO事務局長の発表を聞いて、「ふうん、長引くのか」と自分にできる対策を考えるしかない。だが実態を知らない組織の言うことを無原則に信じるのは、不安が残る。そこでWHOの内実に迫るドキュメンタリー、『TrustWHO』(”WHOを信じなさい/信じるって誰を”、2016年ドイツ作品)を鑑賞した。監督はリリアン・フランク(Lilian Franck)とトーマス・シュロッツマン(Thomas Schlottman)。映画冒頭でインタビューに応じた市民が、「フクシマの事故以来、政府や高位高官による隠蔽というものがあるってことは皆わかっていて、WHOもその一味なのね」、と日本人にとってはインパクトのある発言をしている。

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ドキュメンタリー『ゴヤという天才的な狂気』:心の闇を描いた大画家

 TVドキュメンタリー、『ゴヤという天才的な狂気』(”Goya: Mad like a Genius”、2002年英国)は、18世紀後半から19世紀初頭にかけてスペインで活躍した大物画家、フランシスコ・デ・ゴヤ(Francisco Goya, 1746-1828)の多様な作品群と数奇な運命の謎にせまる。プレゼンターには正統派として評価の高かった雄弁な美術批評家、ロバート・ヒューズ(Robert Hughes, 1938-2012)を迎え、ひとりの天才画家の頂点と奈落を、見ごたえのある人物伝に仕上げている。画家の深層に切り込もうとするヒューズの執拗さと、それでいて鑑賞者に距離を感じさせない饒舌がなかなか面白い。さらに、レオン・ゴルブ(Leon Golub)という泣く子も黙る鬼才画家を登場させ、解釈にひねりを加えているところも興味深い

goya 1815

『ゴヤ自画像』(1815)

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★臨時紹介★『お久しぶりです、武漢』(好久不见,武汉)武漢に取材した最新のドキュメンタリー

 今回は当研究所の掟を破って、日本人監督(竹内亮)の作品を臨時に紹介する。『好久不见,武汉』(お久しぶりです、武漢)だ。新型コロナウイルスの悪夢を乗り越えてきた武漢の人々が登場し、その困難と現在の心境などを語る。街並みの映像も非常に美しく、観るうちに武漢を好きになり、訪れてみたいと思うようになる好感の持てるドキュメンタリーである。取材班が雷神山医院を訪れている場面も見どころのひとつだ。

 ユーチューブで公開されているので、以下にリンクを貼る。中国語と英語の字幕が埋め込まれているが、日本語字幕もオンにできる。(1時間1分14秒)☟☟☟
日本人監督が見た武漢 -- 好久不见,武汉| Post-Pandemic Wuhan Through the Lens of a Japanese Director



『不思議な東京』ドイツ第1テレビで放映中

 2021年にオリンピックが開催される予定になっている都市ということで、ドイツ第1テレビ(ARD1)が東京の特集番組を組んだ。明らかに新型コロナウイルス流行前後の映像が混在しているが、都民の暮らしを非常によく取材し、美しいカメラワークにおさめている。
japan schule
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『金貸し』IMFの問題点を現場に取材したドキュメンタリー

 世界銀行(World BankIMFInternational Monetary Fund、国際通貨基金は世界の90%におよぶ地域に資金融資し、経済援助を続けているだがこのふたつの組織に対しては批判が多く、世界各国で50件を超える抗議行動が起こり、参加者数は100万人にのぼるといわれている。どうしてそれほど騒動を呼ぶのか、という謎を解き明かしてくれるのがロバート・リヒター(Robert Richter)監督のドキュメンタリー、『金貸し』(The Money Lenders、1994年)である。

 

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『ザ・ロビー』(The Lobby)英国労働党内「反ユダヤ主義騒動」の背景を暴くドキュメンタリー

 パレスチナ人に対するイスラエルの長年にわたる暴力行為に抗議して2005年、BDS運動イスラエルに対するボイコット投資撤収制裁運動」(Boycott, Divestment, and impose Sanctions on Israel)が始まった。イスラエルを「アパルトヘイト国家」と見なすこの運動が世界に広がるにつれて、イスラエルは自国のイメージを回復する必要にせまられた。そこで元情報部員だった人物など使って、BDSつぶしに動き出したのが、イスラエル戦略実務省である。中でもBDS運動の拠点り、パレスチナに連帯するジェレミー・コービン率いる英国労働党は、最大のターゲットになった労働党内で「反ユダヤ主義騒動」が立て続けにおこった背景でもある。イスラエルの動きを察したアルジャジーラ(アラビア語と英語でニュースを流しているカタールの放送局)は、イスラエル・ロビーがうごめくロンドンの労働党界隈に隠密の記者を潜入させた。ドキュメンタリー『ザ・ロビー』(”The Lobby”、2017年4回シリーズ)はその記録である。

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アナイリン・べヴァン:英国に国民保健サービス(NHS)を導入した男

 1948年7月5日、英国にNHS(国民保健サービス)が導入された。この制度は貧富の差なく国民すべてに医療を無料で提供するもので、それまでは貧しくて病気を治療できなかった多くの国民を救った。今日までの長い間に多少の変化はあるが、費用は基本的に国家予算で賄われる。この制度の歴史については、わかりやすいドキュメンタリーがちょっと見当たらないので、少し地味な作品を二つほど紹介する。ひとつはBBCで2008年に放映されたドキュメンタリー、『The NHS: a difficult beginning(国民保健サービ

ス:困難な始まり)』、もうひとつは同じくBBCだがウェールズ地方で2012年に放映された短編ドキュメンタリー、『Welsh Greats - Aneurin Bevan(ウェールズの偉大な人物:アナイリン・べヴァン』。2作品ともアナイリン・べヴァン(Aneurin Bevan、通称ナイ・べヴァン)という労働党の政治家に焦点があてられている。


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『ブルーノート:モダンジャズの物語』(1996)移民がつくった金字塔

 ニューヨークで1939年、ジャズ・レーベル「ブルーノート」を設立したのはベルリンからのユダヤ系移民、アルフレド・リオン(Alfred Lion)と幼なじみの写真家、フランシス・ヴォルフ(Francis Wolff)である。二人はまだ黒人差別が激しかった時代のアメリカで天才ジャズ・プレイヤーたちを発掘し、レコーディングし、その演奏風景を大胆なジャケットデザインにするというやり方で、伝説的なアルバムを次々と世に出していった。1996年に制作されたドキュメンタリー、『ブルーノート:モダンジャズの物語』(Blue Note: Story of Modern JazzJulian Benedikt監督)では、この奇想天外な仕事師たちと出会った数多くのジャズメンが当時を回想する。したがって収録時間90分の初っ端からエンディングまでハードバップのてんこ盛りとなっていて、名テイクもふんだんに紹介されている。ジャズ愛好家垂涎の、マニア向けドキュメンタリーだ。

Thelonious Monk
Thelonious Monk

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ドキュメンタリー『ジャクソン・ポロックってどこの馬の骨?』芸術と価格と贋作に関する脱美学論的解決法

 大型トラック運転手で威勢のいい女性、テリ・ホートン(Teri Horton)は巨大なガラクタのような油絵を5ドルで購入するが、見かけた人から「それ、ポロックなんじゃない?」と言われ、自分が数千万ドルの資産を手にしているかもしれないことを知る。書画骨董の世界にはまったく無縁だった彼女は、この「ポロックらしきもの」を正当な価格で販売すべく行動にでるのだが...。ハリー・モーゼス監督(Harry Moses)のドキュメンタリー、『Who the #$&% is Jackson Pollock?』(2006)は、ピカソより値が張るといわれるジャクソン・ポロック(Paul Jackson Pollock)の未確認作品らしきものをめぐって、タヌキともキツネともつかない画商やまるで犯罪捜査のような手法を繰り広げる鑑定家、さらに刑期を終えた贋作絵描きまで集まって値段を模索する大騒動の記録である。にんまり笑える。

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ドキュメンタリー『ヴィリー・ブラント:ある政治家の追憶』

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 1970年12月7日、ひとりのドイツ人政治家がワルシャワ蜂起記念碑の前にひざまずく写真が、世界をかけめぐった。ナチスの時代にあってはレジスタンスとしてノルウェーに亡命し、戦後はドイツ社会民主党(SPD)から初の首相に選ばれたヴィリー・ブラントである。彼はのドイツの罪深い過去贖罪する行動によって、ノーベル平和賞を授与され。2013年にARTE(ドイツとフランスの共同放送局)で放映されたTVドキュメンタリー、『ヴィリー・ブラント:ある政治家の追憶』(“Willy Brandt: Erinnerungen an ein Politikerleben”)は、激動の時代を生き抜いた政治家のみごとではあったが内面に深い憂鬱をかかえた生涯を、知人や朋友へのインタヴューをまじえて蘇らせる。ちなみに今日、10月8日はブラントの命日でもある。


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『ブッシュ家の資産:金で買える最上の民主主義』(2003)石油と戦争と大統領親子にまつわるBBCドキュメンタリー

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 日本のジャーナリストが政治家の不正を追及できなくなって久しい。だがこれは日本に限った現象ではなく、程度の差はあれアメリカも似たり寄ったりである先進国とされる国々で、このように名立たるメディアが似かよった報道しかできない、というのはとても閉塞的な状態だ(注1)。今回紹介するグレッグ・パラストは、過去にブッシュ大統領親子の不正をしつこく追跡し続け、アメリカでは報道されないとわかって英国に足場を移し、BBCと日刊紙ザ・ガーディアンに記事を提供するようになったアメリカ人ジャーナリストである。そしてその成果をドキュメンタリーにした作品が、2003年に英国BBCで放映された『ブッシュ家の資産:金で買える最上の民主主義』(Bush Family Fortunes: The Best Democracy Money Can Buy)続きを読む

『ハンブルグのバリケード』2017年G20における警察の過剰警備を検証するドキュメンタリー

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  ハンブルグはヨーロッパでも有数の裕福な都市である。エルベ河沿いの良港に恵まれ、歴史の刻まれた美しい街並みには都会的なファッションがあふれる。2017年、ここで開催されたG20をめぐって、市街はデモ隊と警官隊が全面衝突するという大惨事の舞台になってしまった。『ハンブルグのバリケード』(注)は、この市街戦ともいえる非常事態を、警察のとった行動に焦点を合わせて記録したドキュメンタリーである。

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『メイフェア族』(1999)第2話:買収・解体・売却を繰り返して財をなした男

 前回に引き続いてアダム・カーティス監督の『メイフェア族』第2話、『闇屋と呼ばれた企業家』(注1)を紹介する。50年代の英国はまだ、産業界で指導的立場にある少数の人間に支配されていた。外国為替引受銀行の重役や産業新聞の社主、キャドバリーのオーナーやロールスロイスの会長、実業家や鉄鋼産業の代表などの資本家がイングランド銀行の重役会に出席し、巨大な産業帝国をあやつりながら国の未来を形づくっていた。ところがその世界が、15年もたたないうちにあっさり崩壊してしまう。工場は次々と取り壊され、跡地は売却されて、実業家や政治家は往年の魔力を失っていったのだ。いったい何が起こったのだろうか。この謎解きに登場する第2話の主役は、ジム・スレイター(Jim Slater)という垢ぬけない会計士である。
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【ウィシュマさん国賠名古屋地裁第2号法廷】
12月から医師等4名証人尋問
■2025年
12月04日(木)14:30~
12月11日(木)14:30~
12月24日(水)10:30~
■2026年
1月14日(水)10:30~
1月28日(水)10:30~
 **************

※得票数を操作したとなると首班は国家転覆罪になるのかな?

※今回の選挙結果があまりにもおかしいという声があがっている。そういう方はちょっと前にイタリアの不正選挙を面白おかしくドラマにした映画、《『カバン持ち』(1991年イタリア映画) 政治家のスピーチライターになった文学教授の顛末》
を参考にどうぞ。


※日本の場合は「報道の自由」が制限されているという表現は的確ではなく、「報道の腐敗堕落」が進んでいるというのが正確。ジャーナリストの水準も明らかに劣化して本質を暴き出す追究ができない。

※これからは「平和憲法があるから戦争に巻き込まれなくてすむ」国ではなく、憲法の縛りがなくなって超好戦的になった国に対して国民が戦わなくてはならない日本なのかな。

※戦前ビジネスマンだった人を知っていたが兵器産業で左うちわだったらしい。庶民は実は戦争のうまみを享受していた、末期になるまでは。

※投票には可能な限り行くほうだがいつも開票速報で暗たんたる思いになる。50年近く経験し続けてもまだ慣れない。中世ヨーロッパにおける異教徒もこんな気持ちで生きていたのだろうか。

※メディアや世論調査で与党の圧勝を予想しまくられると開票でゼロ打ちになっても誰も疑わない、てのを前にも経験したような......

※官邸を出て30秒後に死傷事故を起こした車を運転してたの誰よ?何を業務委託されたのよ?公表する義務とか道義的責任とかあるでしょう。ひょっとしてまだ逮捕してない?

※誰かネタニヤフのことを「凡庸な悪」と言う人いる?

※原爆を落とさなくても日本は降伏していたが戦後史も変わっていただろう。まず無条件降伏までの日程が延びてソ連軍が北海道を制圧し場合によっては南進する。戦後処理は日本のどこかで南北にぶった切ってドイツのように分割する形で終結した可能性が高い。その場合、朝鮮半島の分断という悲劇はひょっとしたら免れたかもしれない。どちらにしろ日本はこの戦争で近隣諸国に多大な迷惑をかけた。《続編》もちろんそれでも原爆は落とさない方が良かったに決まっている。我が国は日本連邦共和国と日本民主主義人民共和国の二つに分かれただけだから。バラライカ弾いてカチューシャを歌って結構楽しく暮らせたと思う。

画像は西鶴一代女(1952年東宝:溝口健二監督)のスチールに自動着色+手修正

日独韓伊の米軍基地

《国会オンライン中継録画》
◎衆議院インターネット審議中継

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戦争の彼方
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当研究所制作の美術書

10月1日発売開始
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テオドール・ジェリコーの習作
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モーティマー・メンペス作品選Ⅱ:ブルターニュ
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モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と
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本を読む
ジャカルタ・メソッド : 反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦(ヴィンセント・ベヴィンス著)

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