ヨハンナ比較文化研究所
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音楽

芸術家たちの闇:クラシック音楽の場合

 以下に並ぶ記事は、クラシック音楽の世界で生じた不祥事の数々である。どれも非常に深刻な事件なのになぜか世間は忘れたがるので、備忘録として載せておく。主観的な注釈は避けるが、若い音大生たちは身の回りに腑に落ちないことが起こったら、必ず友人や信頼できる大人に相談すること。たいていのケースに余罪がある。


行動支配と感情的な虐待:クラシック音楽の教授法は壊れているのか?音楽学生が初めて語り始める経験(2023年7月11日、The Standard)

Controlling behaviour, emotional abuse – is classical music teaching broken?

Music students are speaking out about their experiences during their studies, many for the first time



偽終止:元音楽学生がジュリアードの複数の教師を性的非行で告訴 (2022年12月13日、npr, Deceptive Cadence)

Former music students accuse two Juilliard teachers of sexual misconduct



チータム音楽学校の性的虐待取り調べ:「広範囲の虐待」報告が30件以上(2013年5月8日、The Independent)

Chetham music school sex inquiry: More than 30 report 'widespread abuse'

39 teachers from several schools under investigation in relation to sexual abuse allegations



フランシス・アンドラーディ審問:性的虐待事件被害者のバイオリニストは「私が裁判にかけられている気分よ」と夫に語った(2014年7月7日、Manchester Evening News)
(※アンドラーディは権威ある聖歌隊指揮者に性的虐待を受けた過去を告白、裁判に訴えていた最中の2013年1月に自殺した。)

Frances Andrade inquest: I thought I was on trial, tragic Chetham's sex abuse case violinist told husband

Musician had spiralled into 'incredible despair' over court case involving her pervert former music teacher Michael Brewer, hearing is told



『ハーケンクロイツの下のクラシック』:過酷な運命を生きぬいたチェリストのドキュメンタリー

 2022年DW(ドイチェ・ヴェレ)制作のドキュメンタリー、『ハーケンクロイツの下のクラシック』(Klassik unterm Hakenkreuz/Music under the Swastika, a.k.a. Music in Nazi Germany)は、「どうしてドイツ中の音楽家が一夜にしてナチスの協力者に変質することができたのだろうか」、という問いへの答えを生き証人との対話から導き出そうと試みる静かな作品である。

 

 ナチスが台頭し始めた時代にクラシック音楽界の頂点にいた指揮者に、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwängler)がいる。1886年ベルリン生まれのヴィルヘルムは天才肌で、20歳ですでに交響楽団の指揮をしていた。当時のドイツではクラシック音楽のみならず、ジャズや現代音楽なども豊かに花咲いていたのだが、国民社会主義が権力を握った1933年以降、状況がまったく変わってしまった。ヒトラーは「国民音楽」なるものを打ち出し、「音楽が情緒および感性の形成に非常に大きな力を持つことは疑いのないことである。だが音楽は我々を感動させても、知的満足には程遠い」と述べ、音楽の選別粛清を始めた。街頭でもコンサートホールでも暴力をともなう規制が行なわれたため、多くの音楽家は早々にドイツを去っていった。


Furtwängler
Wilhelm Furtwängler

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『ブルーノート:モダンジャズの物語』(1996)移民がつくった金字塔

 ニューヨークで1939年、ジャズ・レーベル「ブルーノート」を設立したのはベルリンからのユダヤ系移民、アルフレド・リオン(Alfred Lion)と幼なじみの写真家、フランシス・ヴォルフ(Francis Wolff)である。二人はまだ黒人差別が激しかった時代のアメリカで天才ジャズ・プレイヤーたちを発掘し、レコーディングし、その演奏風景を大胆なジャケットデザインにするというやり方で、伝説的なアルバムを次々と世に出していった。1996年に制作されたドキュメンタリー、『ブルーノート:モダンジャズの物語』(Blue Note: Story of Modern JazzJulian Benedikt監督)では、この奇想天外な仕事師たちと出会った数多くのジャズメンが当時を回想する。したがって収録時間90分の初っ端からエンディングまでハードバップのてんこ盛りとなっていて、名テイクもふんだんに紹介されている。ジャズ愛好家垂涎の、マニア向けドキュメンタリーだ。

Thelonious Monk
Thelonious Monk

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『神童』:天才少年作曲家アンドレ・マチューの物語(カナダ映画)

 カナダ生まれのアンドレ・マチュー(André Mathieu,1929-1968)は、幼少のころから音楽に尋常ならぬ才能を発揮し、多くのすぐれた作品を生み出し、わずか39歳で夭逝してしまった。2010年に制作された伝記映画の原題はずばり、Lenfant Prodige=チャイルド・プロディジー(注)。才能にめぐまれ過ぎているがゆえに、周囲の重圧におしつぶされてゆく少年の過酷な人生を丁寧にたどる、地味だが余韻の残る物語である。マチューの幼少期を演ずる子役の演技も見事だし、青年期を演ずる俳優(本職はコメディアン)も非常に良い雰囲気をかもし出している。またこの映画の重要な要素であるマチューの作品群を現代の優れたピアニスト、アラン・ルヴェーヴルが演奏し、たっぷり聴かせてくれる。

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映画音楽という曲者――ドキュメンタリーにおけるその功罪について (序論)

 ドキュメンタリーに背景音楽を使いすぎることに対する批判をいつかまとめておかなくてはならないと、ずいぶん以前から思っていた。背景音楽はドキュメンタリーをドラマ化してしまうからだ。「ドキュメンタリーはウソをつく」というとき、証言者群の選択と質問による誘導、カメラによるトリックや恣意的な資料選びとならんで、背景音楽による演出も「騙し」の立派な小道具である。たとえ証言者に演技をさせずにカメラに納め、適正な資料にあたって取材することができたとしても、そこに音楽を挿入することで作り手は鑑賞者の感情を支配し、作品に対する判断を一定の方向に誘導することができる。私が背景音楽への批判的検討が必要だと考えるゆえんである。
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オペラ映画『蝶々夫人』(1995)

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 中国のソプラノ、イン・ファン(黄英、Ying Huang)をプリマドンナに迎え、配役のほとんどを東洋系のオペラ歌手でそろえたオペラ映画、『蝶々夫人』(1995)はなかなか見ごたえのある秀作だ。オペラは大昔からの伝統芸能なので、ジャコモ・プッチーニの蝶々夫人もなんだか古臭い女性観がただよっているが、そこは西洋歌舞伎だと思って我慢すれば、十分に楽しめる。監督は故ミッテラン大統領の甥であるフレデリック・ミッテラン。撮影はチュニジアに舞台セットを作って行なわれた。
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『ロマ&シンティ交響楽団』ドキュメンタリー放映中

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 世界中に二つとないオーケストラ、“ロマ&シンティ・フィルハーモニク“。すべての団員がシンティとロマであり、プロフェッショナルな訓練を受けた演奏家集団なのだ。彼らはしばしば差別され、 因習と闘い、排除されたり無視されたりしてきた。DW(ドイッツェ・ヴェレ)の最新ドキュメンタリーがその素顔に迫る。

 ロマの演奏家たちは言う、「音楽は心の故郷だ」、「バイオリンと共に生きている」、「日常に音楽がないロマの家庭は存在しない」と。過去においては、ハンガリーの文化やフランツ・リストの音楽に多大な影響を与えたロマとシンティの音楽家たち。21世紀になってやっと、普段は各々の地域で演奏しながら生活している彼らが集り、恒久的な交響楽団を設立すべく努力を始めた。それを今、ドイツの外務省が支援している。


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『どうしました、シモンさん?』公民権運動を生きたシンガーの記録

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 深い味わいのある歌声と確かなピアノ技術を持ちながら、決して幸福でなかったニーナ・シモン(1933-2003)の生涯を扱ったドキュメンタリーがリズ・ガーバス監督の『どうしました、シモンさん?』("What Happened, Miss Simone?", 2015)だ。シンガーとして公民権運動の前面に立った彼女は、ラングストン・ヒューズやストークリー・カーマイケルなどと交流しながら「反動ブルース」、「クソッタレ・ミシシッピ」などのプロテスト・ソングを歌い続けた。映画の英語原題は詩人、マヤ・アンジェロウによる。
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『Testimony』(1988)物議をかもしたショスタコーヴィチの回想を映画化

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 『Testimony』(1988)は、音楽家の実像にせまる数多くの映画で知られる英国の監督、トニー・パーマーがソロモン・ヴォルコフによるドミートリイ・ショスタコーヴィチの証言録を映画化したもの。もともとヴォルコフによる証言録自体が、その真偽をめぐって激しい論争をよんだシロモノで、非常に面白い読み物であるにもかかわらず、未だにその評価には決着がついていない。そんな事情を反映してか、日本では映画の存在そのものが忘れられている状態だが、実はなかなかの力作だ。ショスタコーヴィチを演じるのは、ベン・キングスレー。『ガンジー』で証明済みのその演技力が、この難しい作品でも光っている。
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『フィル・オークス:運が悪けりゃ』(2010)反戦フォークシンガーの軌跡

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 『フィル・オークス:運が悪けりゃ』("Phil Ochs: There but for fortune", 2010年米国Kenneth Bowser監督)は、ボブ・ディランと並ぶアメリカのシンガー・ソング・ライター、フィル・オークス(1940-1976)の生涯を追ったドキュメンタリー。

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5月18日はディートリヒ・フィッシャー=ディースカウの命日。

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 5月18日はドイツを代表するバリトン歌手、デートリヒ・フィッシャー・ディスカウの命日だ。Dietrich Fischer-Dieskau (28 May 1925 – 18 May 2012, 写真は彼のお墓)。
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バッハ『無伴奏チェロ』は実はカミさんの作曲!!

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 ヨハン・セバスチャン・バッハの数多くの作品のなかでも最も愛されている名曲、「無伴奏チェロ組曲」が、実は2番目の妻であるアンナ・マグダレーナの作曲だったという天地がひっくり返りそうなドキュメンタリーが、英国BBC4で放映された。
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ダバダバ・バッハのウォード・スウィングル他界(1927-2015)

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 ウォード・スウィングル(Ward Swingle, 1927ー2015)の名前は知らなくとも、「ダバダバダーッ」てな軽いノリで合唱するヨハン・セバスチャン・バッハは聞いたことがあると思う。そのダバダバ・バッハを1960年代前半、初めて世に出した人物、ウォード・スウィングルが1月19日、87歳で永眠した。
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『タンホイザー80分ポッキリ!』ワグナーのパロディー

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 ウィーンのブルク劇場で2005/2006年に上演された『タンホイザー80分』は、ワグナーの同名オペラをパロディにした一人芝居だ。2008年フォルクスオペラでの再演もすごい評判だったので、私も鑑賞しようとしたのだがチケットが立ち席まですべてアッという間に売り切れてしまい、くやしい思いをしていたところ、DVDが発売された(NTSC版、ドイツ語・英語・フランス語字幕, 2008年3月4日, 14日ライヴ収録)。
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チコ&ハーポ・マルクスの演奏

 20世紀前半のモーション・ピクチャーズで人気者だったマルクス兄弟。彼らの母親はドイツから、父親はフランスからのユダヤ系移民で、5人の子供たちはニューヨークに生まれ育った。兄弟はいずれも音楽に非常な才能を見せたが、特に長男のチコ(1887-1961)はピアノ演奏に優れ、次男のハーポ(1888-1964)はハープ他6つの楽器をこなしたという。彼らはコメディアンとして評判になった後、数多くの映画に出演。アメリカトップ100喜劇映画に選ばれている作品の数は13にものぼる。
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マルクス一家:左からグルーチョ、ガンモ、母、ゼッポ、父、チコ、そしてハーポ。
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クラシック音楽愛好家に捧ぐ、"Hands off!"

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 ヴィクター・ボーガ(ヴィクトル・ボルグァ、1909-2000)はデンマーク生まれのピアニスト。幼少から神童ぶりを発揮し、新進気鋭の若手ピアニストとなるが、時は第二次世界大戦前夜だった。彼がスウェーデンでコンサートを行なっていた時、母国デンマークはナチス・ドイツに占領されてしまう。ボーガはアメリカ合衆国行き最終の船舶で亡命する。ユダヤ系だったからだ。
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【ウィシュマさん国賠名古屋地裁第2号法廷】
12月から医師等4名証人尋問
■2025年
12月04日(木)14:30~
12月11日(木)14:30~
12月24日(水)10:30~
■2026年
1月14日(水)10:30~
1月28日(水)10:30~
 **************

※対ロシアが上手くいかなくて踵をかえしてベネズエラ。これも事実上失敗で今度はイラン。精神鑑定と24時間カウンセリングが必要な深刻な症状だと思う。

※なるほど。80年前は「現人神」に命を捧げた幼稚な民族が今度は「真のお母様」に骨までしゃぶられたってことか。

※誰かネタニヤフのことを「凡庸な悪」と言う人いる?

※原爆を落とさなくても日本は降伏していたが戦後史も変わっていただろう。まず無条件降伏までの日程が延びてソ連軍が北海道を制圧し場合によっては南進する。戦後処理は日本のどこかで南北にぶった切ってドイツのように分割する形で終結した可能性が高い。その場合、朝鮮半島の分断という悲劇はひょっとしたら免れたかもしれない。どちらにしろ日本はこの戦争で近隣諸国に多大な迷惑をかけた。《続編》もちろんそれでも原爆は落とさない方が良かったに決まっている。我が国は日本連邦共和国と日本民主主義人民共和国の二つに分かれただけだから。バラライカ弾いてカチューシャを歌って結構楽しく暮らせたと思う。

画像は西鶴一代女(1952年東宝:溝口健二監督)のスチールに自動着色+手修正

日独韓伊の米軍基地

《国会オンライン中継録画》
◎衆議院インターネット審議中継

◎参議院インターネット審議中継


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戦争の彼方
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ウィーンへの帰還
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赤いオーケストラ
¥1650(税込)


革命の内側¥1650(税込)

当研究所制作の美術書

10月1日発売開始
2026年カレンダー:読書の風景¥550(税込)

ミケランジェロ素描集
¥1650(税込)


テオドール・ジェリコーの習作
¥1650(税込)


モーティマー・メンペス作品選Ⅱ:ブルターニュ
¥1210(税込)


モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と
¥2530(税込)


ドラクロワ素描集
¥1100(税込)


本を読む
ジャカルタ・メソッド : 反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦(ヴィンセント・ベヴィンス著)

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