ヨハンナ比較文化研究所
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ドラマ

『ボストン・リーガル(シーズン4)』アラン・ショア、二大政党制は民主的なのかを問うの巻

 久しぶりに『ボストン・リーガル』を取りあげる。2008年米国大統領選の最中に放映されたシーズン4エピソード18で、二大政党制による選挙がかかえる問題点を指摘している

 

 予備選進行中のある日、アランショアの上司、シュミット(キャンデス・バーゲン)が突然、「甥のミッチーを訴えたい」と泣きついてきた。理由はこうだ。ミッチーはマサチューセッツ州のある選挙区で民主党予備選挙の誓約代理人をやっている。予備選ではヒラリー・クリントンが選ばれたのだが、ミッチーはバラク・オバマのほうが良いと信じており、選挙区民を裏切ってでもオバマに投票すると言い始めた。シュミットはこれを止めるべく、アランに法廷での弁護を依頼したわけだ。そこでアランが選んだ戦術は、民主党を訴えるという奇策だった。

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2008年ワシントン州予備選挙の様子(
Joe Mabel, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons

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『血と栄光:ヒトラー支配下の青春』(1982) 暗い時代のドイツ人一般家庭をえがいた米独合作教育ドラマ

 『血と栄光:ヒトラー支配下の青春』(Blut und Ehre: Jugend unter Hitler, Blood and Honor: Youth under Hitler)は、ヴェルサイユ体制下ドイツの青少年が、どのようにしてナチス信奉者になっていったのかを戦後の若者に知ってもらうため、アメリカとドイツのスタッフが協力して制作したテレビ向け教育ドラマである。1933年から1939年までの間にヒトラー・ユーゲントに参加し、蛮行を引き受けていく青少年たちの姿が克明に描かれている。脚本は、実際にヒトラー・ユーゲントを体験したヘルムート・キッセル(Helmut Kissel)。米独両国のテレビで放映する都合上、4回シリーズのすべてが英語とドイツ語でそれぞれ2回、ドイツのバーデンバーデンで撮影された。出演者は全員、英独バイリンガルの俳優だそうだ。


hartmut

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『オティリエ・フォン・ファーバーカステル:ある勇敢な女性の物語』ドイツの鉛筆会社を継いだ女性のドラマ


 19世紀半ばに鉛筆を世に出した会社、ファーバーカステルで図らずも経営者になった女性、オティリエの生涯がドラマ化され、ドイツ第一放送で放映された(Ottilie von Faber-Castell - Eine mutige Frau、2019)。『ダウントンアビー』のドイツ版と評判だが、実話に基づいているだけに前者のように荒唐無稽なお嬢様礼賛エピソードのバラマキではなく、時代に抗して自立しようとした女性の物語になっているのが良い。また、オティリエを演ずる女優、クリスティン・ズッコウ(Kristin Suckowがヒラリー・スワンクに似ていて、「お、強いっ!」と感心しながら楽しめるところも良い。(上はユーチューブ上のトレイラー)

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『ガン・ホー』(Gung Ho, 1986) ニッサンならぬアッサン自動車の労務管理を描くコメディー

 ニッサンのすったもんだで思い出した映画、『ガン・ホー』(1986年ロン・ハワード監督)を紹介する。アメリカ人から見た日本の労務管理を描いたコメディ映画で、舞台は日米自動車摩擦で工場が閉鎖になってしまった架空の町、ハドリーヴィル。もともと自動車以外に産業はなく、ほとんどの住民が失業状態になって9ヶ月が経とうとしていた。元職工長のハント(マイケル・キートン)は、街に日本の自動車産業を招致するべく、アッサン自動車(圧惨自動車)を訪れる。冒頭のこの場面からザ・プリテンダーズの歌うタイトル・ソング、 “Don’t get me wrong” が流れ始め、通勤電車や新幹線、カプセルホテルなど、80年代日本のなつかしい風景が映しだされる。これから始まるストーリーでは、日本的経営とそれに従う中間管理職たちがやんわりとからかわれることになるのだが、間の取り方で笑わせる漫才のようなやりとりが多く、思わず吹き出してしまうおかしさがある。
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アラン・ショアの死刑廃止論『ボストン・リーガル』(その3、連邦最高裁判所)

  前回に引き続き、『ボストン・リーガル』でアラン・ショアが死刑廃止論を披露した3回目のエピソードを取り上げる(シーズンⅣ第17話)。ある日、アランの上司が「君に新しい依頼だ」と声をかけてくる。「8歳の継娘をレイプした事件だ」と説明されて、「それは断る」と即座に答えるアランだったが、上司は「連邦最高裁にかかっている死刑事案なんだ」という。このやり取りから米国の視聴者は、『ケネディ対ルイジアナ州事件』を番組で取り上げるのだなと理解する。1998年に起こった事件で、当時8歳だった継娘を非常に残虐なやり方でレイプしたとして、被告のパトリック・オニール・ケネディは否認したまま死刑判決を受けた。2008年、連邦最高裁での上告審では、少女へのレイプが被害者を死に至らしめなかった場合でも極刑に相当するかどうか、という点が争われ、同年6月、「合衆国憲法修正第8条(残酷で異常な刑罰の禁止)は、児童に対するレイプ事件で実行犯に殺意がなくかつ被害児童が死亡しなかった場合には、死刑を科すことを認めていない」、という判断が下された。
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アラン・ショアの死刑廃止論『ボストン・リーガル』(その2)

 前回に引き続き法廷ドラマシリーズ、『ボストン・リーガル』で死刑問題が取り上げられたエピソードを紹介する。2006年秋に放映された「Trick or Treat」(シーズンⅢ第7話)は弁護士、ジェリー・エスピンソン(クリスチャン・クレメンソン)が死刑反対論者であるために苦しむストーリーだ。ジェリーは善人がほとんど登場しないこのシリーズでは稀な「善意の塊」である。非常に有能でもあるのだが、自らのアスペルガー症候群との葛藤で思わぬトラブルを起こしては、いつもアラン・ショアに助けてもらっている。そのジェリーがアランの事務所に飛び込んでくる。偽証罪に問われそうだというのだ。
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アラン・ショアの死刑廃止論『ボストン・リーガル』(2004-2008米国TVドラマ)

 前回、背景音楽に批判的なことを書いたので、今回は優れた背景音楽のおかげで出会ったドラマについて書いておく。米国のTVドラマ、『ボストン・リーガル』(“Boston Legal”、2004-2008年、脚本デビッド・E・ケリー)だ。筆者はこのシリーズをまったく知らなかったのだが、偶然耳にした斬新なテーマ音楽が気になり、当時滞在していたドイツの大型電器店で平積みになっているDVDをディスカウントで購入した。出演者は総じてかなりいかれているという、コメディ仕立ての法廷ドラマである。高級スーツに身をつつんだ弁護士たちが、みっともない失態をさらけ出し、おふざけを乱発する。それでいて米国社会の問題点や法廷の矛盾、残酷な常識などに鋭く切り込んでいくプロットが同時進行する話の展開は実に見事だった。あまりに面白いのでシリーズDVDを次々と購入し、おなかの皮がよじれるほど笑わせてもらった。役者陣が何度もエミー賞を取っている古典に分類できるシリーズだが、日本で放映されたかどうかは知らない。

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BBC『チャールズ3世』エリザベス女王後を描く近未来スキャンダルドラマ。テレビでここまでやるか・・・

 最近BBCで放映された『チャールズ3世』は、エリザベス女王後を描く近未来スキャンダルドラマ。もともとは2014年に上演された舞台劇で、当時からその過激なプロットが話題になっていた。こんなドラマをBBCが平気で放映してしまう英国は、その立憲君主制も表現の自由も日本とはかなり違った様相を呈している。いきなり女王の葬儀から始まる問題作の筋を追ってみる。フィクションなので、お間違いのないように。

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『故郷』(HEIMAT・1919-1982・ドイツ)深く考えずに生きる群像ドラマ

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 『故郷』(Heimat - Eine deutsche Chronik)はドイツのテレビ用ドラマ3部作の第1部として制作され、11話連作(925分)で1984年から放映された。第一次世界大戦の戦後処理からナチスの台頭、戦後の回復までの時代をシャッバッハ(Schabbach)という架空の農村の群像ドラマとして描いており、非常に高い視聴率を得たとともに、その作風について論争も巻き起こったようだ。30年を経て鑑賞してみると、原作者の実体験を元にしたナレーションとしての資料的価値は高く、またモノクロとカラーの世界を行きつ戻りつする美しい映像にも非常に魅力のある作品ではある。だが、「民衆はなんとなく生きて、巻き込まれたのよ」型のぼんやりしたドイツ農村コミュニティ肯定は、深く追及すべきプロットの数々についてその表面をかすめてやりすごす結果を生み出しており、ほとんど評価できない。
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ファスビンダー監督『ベルリン・アレクサンダー広場』(1980)

 著名な映画監督が手がけた評価の非常に高い作品をけなすのは、気がひける。だがやはり批判的な評価をしておこうと思う。原作はアルフレート・デーブリンがワイマール時代のベルリンを描いた小説、『ベルリン・アレクサンダー広場』で2回映画化されている。1931年作品(フィル・ユッツィ監督)のほうは、主人公フランツ・ビーバーコップフの内面に触れることなく、一人の善良だが不器用な人間が犯罪仲間のしがらみから逃れられない様子を普通のドラマとして描いている。よくあるタイプの娯楽映画だ。だが今回取り上げるのは、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーが1980年に監督したテレビミニシリーズ(14回)のほうである。
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“Secret State”(『秘密国家』2012年英国TVミニシリーズ)

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 「Secret State」は、2012年に英国チャンネル4で放映された政治スリラー。やはり英国で1988年に制作されて非常に高い評価を得たTVドラマ、「A Very British Coup」(「実に英国的クーデター」1982)のリメイク版である。原作は政治家でエッセイストでもあるクリス・ムリン。
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『マイレージ、マイライフ』(2009)をウラから鑑賞する。

 
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 ジョージ・クルーニー主演のハリウッド映画、『Up in the Air』(邦題:マイレージ、マイライフ、2009年)は、渋い中年のラブコメディではない。米国には整理解雇代行専門業者(downsizer)がいて、国中の解雇現場を飛び回っているというお話だ。一人の解雇について10分もかからない。そして運悪く解雇された人間は、座る暇もなく私物をダンボール箱に詰め込み、社員証を返却して社屋の外に退場するのだ。2013年映画、『マージン・コール』でも、冒頭でスタンリー・トゥッチが同様の被解雇場面を演じている。こちらは携帯電話も即座に失効してしまい、一切連絡もできないという徹底ぶり。敗者に鞭打つとは、こういう事を言うのだろう。

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『Unsere Muetter, unsere Vaeter』(僕らの母、僕らの父)をどう見るか

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 ドイツのZDFテレビで2013年に放送されたミニドラマシリーズ、『Unsere Muetter, Unsere Vaeter』(僕らの母、僕らの父)は当時700万人が視聴して大反響を呼ぶ一方、その内容については激しい論争が巻き起こった。筆者も初めて鑑賞したときは、初っ端から「ちょっと待てよ...」という気分になったのだが、その理由を簡単に整理しておこうと思う。
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【ウィシュマさん国賠名古屋地裁第2号法廷】
12月から医師等4名証人尋問
■2025年
12月04日(木)14:30~
12月11日(木)14:30~
12月24日(水)10:30~
■2026年
1月14日(水)10:30~
1月28日(水)10:30~
 **************

※対ロシアが上手くいかなくて踵をかえしてベネズエラ。これも事実上失敗で今度はイラン。精神鑑定と24時間カウンセリングが必要な深刻な症状だと思う。

※なるほど。80年前は「現人神」に命を捧げた幼稚な民族が今度は「真のお母様」に骨までしゃぶられたってことか。

※誰かネタニヤフのことを「凡庸な悪」と言う人いる?

※原爆を落とさなくても日本は降伏していたが戦後史も変わっていただろう。まず無条件降伏までの日程が延びてソ連軍が北海道を制圧し場合によっては南進する。戦後処理は日本のどこかで南北にぶった切ってドイツのように分割する形で終結した可能性が高い。その場合、朝鮮半島の分断という悲劇はひょっとしたら免れたかもしれない。どちらにしろ日本はこの戦争で近隣諸国に多大な迷惑をかけた。《続編》もちろんそれでも原爆は落とさない方が良かったに決まっている。我が国は日本連邦共和国と日本民主主義人民共和国の二つに分かれただけだから。バラライカ弾いてカチューシャを歌って結構楽しく暮らせたと思う。

画像は西鶴一代女(1952年東宝:溝口健二監督)のスチールに自動着色+手修正

日独韓伊の米軍基地

《国会オンライン中継録画》
◎衆議院インターネット審議中継

◎参議院インターネット審議中継


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戦争の彼方
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2026年カレンダー:読書の風景¥550(税込)

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本を読む
ジャカルタ・メソッド : 反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦(ヴィンセント・ベヴィンス著)

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