ヨハンナ比較文化研究所
おもに欧州のドキュメンタリーを紹介している字幕屋です
⇒ホームページはこちら 分室はこちら 出版部はこちら
管理人:林洞意officejohanna@gmail.com
 
【ご注意!】当研究所字幕作成の DVD を桁違いに⾼い値段で販売している業者がありますのでご注意ください。当研究所から出荷する取引先は定価 (税込1650 円)で販売しております。DVDが売切れる⼼配はありませんので購入はAmazon.co.jp他、定価(たまに割引あり)で販売している業者から注⽂してくださいますようお願いいたします。新たにメルカリshopでも販売を始めました。こちらは送料無料になっておりますのでご利用ください。

イタリア

ミケランジェロ:デッサンかき集め70点 (高画質)

 8月1日新刊発売の美術書、『ミケランジェロ素描集』を作成するにあたって確認したミケランジェロ・ブオナローティのデッサンから大量70点(順不同)をかき集めて動画を作成しましたので、お楽しみください。


(画面右下の▢で大画面になります。同じく⚙マークで高画質1080pHDを選択してください。)

新刊書『ミケランジェロ素描集』(A4判カラー32頁)はこちらで購入できます。

ミケランジェロ素描集
ミケランジェロ・ブオナローティ
ヨハンナ比較文化研究所
2025-08-01



続きを読む

テネブリズム(Tenebrism、明暗対比画法)

 テネブリズムはロウソクなど単一の光源を使い、明暗のコントラストで主題を浮かび上がらせる画法。流派や様式を分類する概念ではないが、17世紀のイタリアやオランダで多くの画家に用いられた。代表的な作家としてカラヴァッジョやレンブラントが挙げられ、他にもこの技法を駆使した画家は地域や時代をこえて散在する。

honthorst merry company

『愉快な仲間』、1623年、ヘラルト・ファン・ホントホルスト作


続きを読む

『マニ・プリーテ:汚れてない手』(2014)腐敗汚職でイタリア第一次共和制が崩壊した話

 1992年2月17日、マリオ・キエーザというミラノの実業家が収賄の現行犯で逮捕された。いきさつはこうだ。キエーザはバギーナ(★記事末尾を参照)というケアハウスを経営していたが、地域の小さな清掃会社と契約をかわした際、社長のルカ・マンニに手数料として5%を要求する。一旦は承諾したものの、キエーザの要求額がどんどん上がっていくことに困りはてたマンニは、ミラノ地方検事のアントニオ・ディ・ピエトロに相談する。ディ・ピエトロはマンニ同意のうえ、現金の入ったブリーフケースに隠しマイクを仕掛ける。こうしてキエーザは、700万リラ(当時の日本円換算で約73万円)の賄賂を受け取った現場を押さえられた(注1)。

 

 実はキエーザは、イタリア社会党(PSI)書記長であるベティーノ・クラクシの秘書をやっていた。当時、政治家への賄賂は広く行なわれていたため、キエーザの供述を手がかりに他の議員たちも次々と逮捕されることになる。俗に「タンジェントポリ」(汚職の街)と呼ばれたこの悪しき慣習に対する一連の摘発は、「マニ・プリーテ」(汚れてない手)と名付けられた。捜査の手はまたたく間に全国におよび、5000人が取調べを受け、500人の元国会議員が巻き込まれ、多くが逮捕されたり自殺に追い込まれたりした。判事の殺害事件も起こっている。

 

 2004年に制作されたドキュメンタリー、『マニ・プリーテ』(Mani Pulite)では、監督のアンドレア・パムパラーナ(Andrea Pamparana)が当時を知る政治家や検事、メディア関係者などに幅広くインタビューし、キリスト教民主党やイタリア社会党が解党して第2共和政へと移行していく経過を検証しながら、その今日的意味を問う。全編に流れるヘクター・ユリシーズ・パッサレラ(Hector Ulises Passarella)のバンドネオン演奏も、なかなか心地よい。

 

(注1)逮捕時に使われたブリーフケースは2007年のチャリティー・オークションにかけられ、市長が5000ユーロで競り落としたという後日談がある。

続きを読む

『みんな家に帰ろう』(Tutti a Casa):戦争末期イタリアの混乱を描くドラマ映画

 1943年9月8日、休戦のラジオ放送をヴェニスの駐屯地で聞いた下士官、アルベルト・イノチェツィは部下を連れて故郷に帰ろうとする。この日から彼らの頭の中では戦争は終結しており、ドイツ軍に協力したり反対に交戦したりする必要もなく、シチリアに上陸して北進してくる米兵らとは友好的な挨拶を交わせるはずだった。だが現実はまったくちがっていた。情報が錯綜するなか、ドイツ軍とは市街戦になり、ファシスト党員にはイタリア王国軍として敵視され、はぐれた兵士たちは身を守るために民家に潜伏しなければならなかった。映画『みんな家に帰ろう』(Tutti a casa、1960年)でルイジ・コメンチーニ監督(注1)は、内戦のイタリアをなんとか生きのびようとした兵士たちの姿を、熱い思いをこめて描いている。

lossy-page1-496px-Alberto_Sordi_(1962).tif
主役のイノチェンツィを演じるアルベルト・ソルディ

 

(注1)ルイジ・コメンチーニが3年後に監督した『ブーベの恋人』は、日本でも繰り返し上映されている。

続きを読む

『カバン持ち』(1991年イタリア映画) 政治家のスピーチライターになった文学教授の顛末

 1991年のイタリア映画、『カバン持ち』(Il Portaborse、ダニエレ・ルケッティ監督)は、政治家の演説原稿を下書きするはめになった文学教授の目を通して、権力に群がる人々の堕落ぶりと、それに巻き込まれる知識人の良心の葛藤を描いた佳作である。タンジェントポリ前夜のイタリアで制作されたという時代背景もあって、当時の腐敗した政権周辺を絶妙に情けない雰囲気で描き出すことに成功している。
SilvioOrlando1991

続きを読む

『都市を動かす手』(1963)市議会の腐敗に取材したイタリア映画

 『都市を動かす手』(Le Mani Sulla Citta/Hands over the City)は、実際にあったナポリ市議会と不動産投資家の癒着関係を題材に、政治の腐敗が都市の姿を変えてしまう様を描いた社会派ドラマである。監督のフランチェスコ・ロージ(注1)はハリウッドの名悪役、ロッド・スタイガーを主役に抜擢し、利権と汚職にまみれた政治家をリアルに描くことに成功している。またこの作品には、本物の市議会議員が脇役やエキストラで多数出演しているという驚くべき仕掛けもある。監督がナポリ出身だったからこそできた芸当なのだろうが、なかなか食えないことをやる人だ。

1024px-Rod_Steiger_in_Le_mani_sulla_città
エドアルド・ノットラを演じるロッド・スタイガー


続きを読む

『ロッセッリ事件:ある政権の犯罪』暗殺されたイタリア人レジスタンス兄弟

 「父と叔父が殺された1937年6月9日、は生後40日目だった」、と語るのはカルロ・ロッセッリ(1899-1937)の息子、アンドリューである。ロッセッリはファシストとペンで戦った自由社会主義提唱者で、亡命先のフランスで弟のネッ・ロッセッリ(1900-1937)とともに惨殺された。TV映画『ロッセッリ事件:ある政権の犯罪』(Il Caso Rosselli=Un Delitto Di Regime, 2007)は、反ファシスト運動に殉じたカルロとネッ冒険に満ちた軌跡をアンドリューともにたどることによって、ムッソリーニとファシストの蛮行を検証し、その戦後社会への余波を見極める胸を打つドキュメンタリーである。


Rosselli
カルロ・ロッセッリとネッロ・ロッセッリ

続きを読む

『休戦』(遥かなる帰郷・1997年伊映画)プリーモ・レーヴィはどうやってアウシュビッツからトリノまで帰還したか

 プリーモ・レーヴィ(Primo Levi、1919-1987)はトリノ出身のユダヤ系イタリア人化学者で、戦後はアウシュビッツからの生還者として筆をとり、記録文学を書き残した稀有な作家である。生き地獄にもがく被収容者を客観的に観察しながらも、温かい視点を失うことのないレーヴィの筆致は、読む者に人間らしさの倫理や生きることの哲学を問いかける。その貴重な作品群から、アウシュビッツ解放後の帰還の旅を述懐した『休戦』(La Tregua、1963年初版発行)が、フランチェスコ・ロージ監督によって1997年に同名映画化された。日本公開当時のタイトルは『遥かなる帰郷』になっている。忘れ去られるにはもったいない映画なので、改めて取り上げたい。


Primo_Levi_(1960)

続きを読む

『ローマ進軍』(1962):ファシズムを下からの視点で描いたイタリア喜劇

 暗い時代の一部を切り取ったB級娯楽映画には、洋の東西を問わず掘り出し物が多い。ディーノ・リージ監督の喜劇ドラマ、『ローマ進軍』(La Marcia su Roma: 注1)も小品ながら非常に面白い映画だ。冒頭は次のようなナレーションで始まる。

 

 「1918年11月、第一次世界大戦における勝利のテーブルについたイタリアに、新しい時代がやってきました。労働者とすべての人が喜ぶ安寧の時代が到来したのです。あ、すべての人じゃないかも...」


512px-March_on_Rome_1922_-_Alle_porte_di_Roma
1922年のローマ進軍の様子

続きを読む

『メディチ一族:ルネッサンスの領袖』(2004)歴史ドキュメンタリー

画像
  イタリア・ルネッサンス期の芸術家や思想家が、フィレンツェという小都市で驚くべき業績を成し遂げることができたのは、ひとえにメディチ家の絶大な援助と庇護があったからである。この一族は覇権争いに明け暮れながら富をたくわえ、教皇の座にまでのぼりつめ、いっぽうでは芸術の新しい流れに惜しげもなく資金を注ぎ込んだ。恩恵にあずかったのはボッチチェッリ、ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロ、ジョルジョ・バザーリ、フィリッポ・ブルネレスキ、ドナテッロ、マキャベリ、ガリレオ・ガリレイなど。皆、それぞれの分野で歴史を変えたつわものだ。
続きを読む

イタリアのメディアを支配する:ベルルスコーニ

画像
「私の見解では、私は単に今日最高の首相であるだけではない。歴史上のあらゆる首相に比べても、私の功績は決して劣らないと感じている」。シルヴィオ・ベルルスコーニ、79歳。長年にわたってイタリア首相の座に君臨し、汚職とセックス・スキャンダルにまみれた男の自己評価である。彼についてのドキュメンタリー群の中から、『ベルルスコーニ・ショウ』(「The Berlusconi Show」、BBC)と『市民ベルルスコーニ』(「Citizen Berlusconi: The Prime Minister and the Press」、Wideangle PBS)をピックアップし、その半生を見てみよう。
続きを読む
月別アーカイブ
QRコード
QRコード
記事検索

【ウィシュマさん国賠名古屋地裁第2号法廷】
12月から医師等4名証人尋問
■2025年
12月04日(木)14:30~
12月11日(木)14:30~
12月24日(水)10:30~
■2026年
1月14日(水)10:30~
1月28日(水)10:30~
 **************

※なるほど。80年前は「現人神」に命を捧げた幼稚な民族が今度は「真のお母様」に骨までしゃぶられたってことか。

※誰かネタニヤフのことを「凡庸な悪」と言う人いる?

※原爆を落とさなくても日本は降伏していたが戦後史も変わっていただろう。まず無条件降伏までの日程が延びてソ連軍が北海道を制圧し場合によっては南進する。戦後処理は日本のどこかで南北にぶった切ってドイツのように分割する形で終結した可能性が高い。その場合、朝鮮半島の分断という悲劇はひょっとしたら免れたかもしれない。どちらにしろ日本はこの戦争で近隣諸国に多大な迷惑をかけた。《続編》もちろんそれでも原爆は落とさない方が良かったに決まっている。我が国は日本連邦共和国と日本民主主義人民共和国の二つに分かれただけだから。バラライカ弾いてカチューシャを歌って結構楽しく暮らせたと思う。

画像は西鶴一代女(1952年東宝:溝口健二監督)のスチールに自動着色+手修正

日独韓伊の米軍基地

《国会オンライン中継録画》
◎衆議院インターネット審議中継

◎参議院インターネット審議中継


当研究所が字幕を制作したDVDはアマゾンJPで販売しています。下の画像をクリックしてください。


戦争の彼方
¥1650(税込)


ウィーンへの帰還
¥1650(税込)


赤いオーケストラ
¥1650(税込)


革命の内側¥1650(税込)

当研究所制作の美術書

10月1日発売開始
2026年カレンダー:読書の風景¥550(税込)

ミケランジェロ素描集
¥1650(税込)


テオドール・ジェリコーの習作
¥1650(税込)


モーティマー・メンペス作品選Ⅱ:ブルターニュ
¥1210(税込)


モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と
¥2530(税込)


ドラクロワ素描集
¥1100(税込)


本を読む
ジャカルタ・メソッド : 反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦(ヴィンセント・ベヴィンス著)

  • ライブドアブログ