ヨハンナ比較文化研究所
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『ハーケンクロイツの下のクラシック』:過酷な運命を生きぬいたチェリストのドキュメンタリー

 2022年DW(ドイチェ・ヴェレ)制作のドキュメンタリー、『ハーケンクロイツの下のクラシック』(Klassik unterm Hakenkreuz/Music under the Swastika, a.k.a. Music in Nazi Germany)は、「どうしてドイツ中の音楽家が一夜にしてナチスの協力者に変質することができたのだろうか」、という問いへの答えを生き証人との対話から導き出そうと試みる静かな作品である。

 

 ナチスが台頭し始めた時代にクラシック音楽界の頂点にいた指揮者に、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(Wilhelm Furtwängler)がいる。1886年ベルリン生まれのヴィルヘルムは天才肌で、20歳ですでに交響楽団の指揮をしていた。当時のドイツではクラシック音楽のみならず、ジャズや現代音楽なども豊かに花咲いていたのだが、国民社会主義が権力を握った1933年以降、状況がまったく変わってしまった。ヒトラーは「国民音楽」なるものを打ち出し、「音楽が情緒および感性の形成に非常に大きな力を持つことは疑いのないことである。だが音楽は我々を感動させても、知的満足には程遠い」と述べ、音楽の選別粛清を始めた。街頭でもコンサートホールでも暴力をともなう規制が行なわれたため、多くの音楽家は早々にドイツを去っていった。


Furtwängler
Wilhelm Furtwängler

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ドキュメンタリー『戦車は腎臓のために:ウクライナにおける臓器移植闇市場』

 今回も前回に引き続いてRTドキュメンタリー・チャンネルから、5月24日に公開された『戦車は腎臓のために:ウクライナにおける臓器移植闇市場』(Tanks for kidneys. "Black transplantology" in Ukraine)を紹介する。

 

 2021年12月16日、ウクライナ国会は5831号修正案(注1)を採択した。これは子供を含むウクライナ人の死後臓器移植を、家族の同意なしに行なえることを規定したものである。特別なクリニックを介したら、臓器を国外に売ることもできる。さらに2022年4月14日、5610号修正案(注2)が採択された。これによって臓器移植に関わる付加価値税が免除され、ウクライナ人の臓器を海外に輸出することが合法になった。軍事作戦のさ中に施行された上記法案によって、死者の臓器を親族の同意なしに取り出すことが可能になり、豊富に存在する臓器が医師や葬儀屋の承諾だけで摘出されるようになった。国内の病院や刑務所をはじめ、軍組織や孤児院などからも臓器は自由に提供される。

 

(注1)Amendments to Ukraine Laws Regulating Transplantation of Anatomical Materials to Humans

(注2)Amendments to Ukraine’s Criminal Procedure Code to Improve Enforcement of Tasks in Criminal Preoceedings

 

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『ベルリンからマイダンまで:80年をふり返る』最新ドキュメンタリー

 今回は、RTドキュメンタリー・チャンネルで5月8日に放映されたばかりの作品、『ベルリンからマイダンまで:80年を振り返る』(From Berlin to Maidan : 80 years on — is Nazism gaining notoriety in Ukraine?)を紹介する。史上最大の犠牲者を出したといわれる大祖国戦争(独ソ戦)は、ドンバスでも戦われた。80年後の今日、その地で歴史をふり返りながら生きる人々に取材し、過去と現在を比較考察するドキュメンタリーである。


 マリウポリから100kmほど東に進み、ロシア連邦ロストフ州西端に入ると、サムベク高地戦勝記念公園(мемориал славы на Самбекских высотах)という第2次世界大戦記念公園がある。そこの巨大なモニュメントの前に静かに立つのは、ミウス戦線調査協会会長で歴史学者でもあるアンドレイ・クドゥリャコフ。「大祖国戦争の兵士たちは皆、ここに眠るべきなのに、名前が確認できている者が非常に少ないのは残念だ。でも私はそのひとりひとりについて語ることができる。自分で掘りおこしたからね」。大きな大理石の墓標の下には、80年前にこの地域で戦死した兵士たちの遺骨が埋葬されているのだが、まだ数千人の骨が発掘されておらず、地道な作業が続いている。
(注:文中の小見出しは筆者がつけたもので、ドキュメンタリー映画の中にはない)

Monument_Sambek_Heights

サムベク高地戦勝記念公園(мемориал славы на Самбекских высотах)


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「ロシア文化殺しの思想」を問う最新ドキュメンタリー、『対ロシア・キャンセル・カルチャー』

 20222月にロシアが特殊作戦を開始して以来、ロシアの文学や音楽を排除するおろかな動きがまたたく間に西側世界に広がった。ナチス・ドイツがユダヤ系の音楽家や文学者を否定したのと全く同じ論理を、熱病にかかったかのように実践する人々に囲まれて暮らすのは、たいへん恐ろしいことである。だが、この子供じみたルソフォビア現象を、当のロシア人はどう体験し、どのように解釈しているのだろうか。その辺の事情を当事者たちに取材した短編ドキュメンタリー、『ロシア文化殺し』㊟がオンライン公開されているので紹介したい。

㊟映画はロシア語版と英語版の2種類が公開されていて、それぞれのタイトルはКультура отмены РоссииKilling Russian Culture。ロシア語から直訳すると「ロシア文化の排斥(キャンセル)」、英語からだと「ロシア文化を殺すこと」になる。オンライン公開はロシア語版が2022年53日、英語版は同52日。上映時間は 2733秒。


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ドキュメンタリー『台無しのヨーロッパ:裏目に出たロシア制裁』

 ロシア・トゥデイ制作の最新ドキュメンタリー、『台無しのヨーロッパ』*Евросоюз: в петле санкцийEurope Undone2023125日公開)は、ロシアに対する制裁が関係国の人々にどんな影響を与えているかを取材した、30分足らずの短編ドキュメンタリーである。制裁の失敗が深刻な人災になっている様子が鑑賞できるので、紹介する。


*ロシア語原題(Евросоюз: в петле санкций) は日本語にすると『欧州連合:制裁ループの中で』


 「私たちの繁栄はロシアからの安いエネルギーで成り立っている」。冒頭、欧州連合外務安全保障政策高官代表ジョゼップ・ボレルの発言である。この前提条件がウクライナ紛争で吹っ飛んでしまった。だから政治家たちは、強気で勝負に挑まなくてはならない。「都会でも地方でも大衆の不満には対処する」。「大丈夫だ、ロシアのガスを安い価格でまた購入できるから。プーチンも望んでいることだしね」、と議会で発言するのはオランダ首相のマーク・ルッテ。だが現実はそう上手くはいってない。市民はルッテの等身大の立て看板に生卵を投げつけて、怒りを露わにしている。

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ソビエト体制を批判したブルガーコフのSF小説『犬の心臓』の映画化(1988)

 ミハイル・ブルガーコフ(1891-1940)は、ロシア帝国下のキエフ(今のキーウ)に生まれた。両親はともにロシア人で、父親はキエフ神学アカデミーの教授、母親は教師という家庭だった。ミハイルは医学部卒業後、ロシアの農村で働き始め、内戦時代には白軍・赤軍双方に医者として従軍したが、重篤なチフスを患った後、作家となる。

 1925年に一部が発表された自伝的小説『白衛軍』は好評を得て、舞台劇にもなった。ところが続いて発表した『運命の卵』(1925)と『犬の心臓』(1925)というSF小説が、どちらも共産主義革命を批判する内容であったため、発禁処分となる。その後、ブルガーコフの作品は、『巨匠とマルガリータ』を含めてほぼ全て、闇に葬られた。60年以上におよぶ封印を経た1988年、『犬の心臓』はペレストロイカに揺れるソビエトのテレビ局によって命を吹きかえした。ドラマ映画としてソビエト中に放映されたのである。今回はこの作品を取りあげる(注1)。

注1:『犬の心臓』は出版する前に検閲で発禁処分となり、原稿は没収された。その後、1960年代に英国とドイツで出版されている。映画化はソビエト連邦に先立って1976年、イタリアで実現している。タイトルは『Cuore di cane』で主演はマックス・フォン・シドー。こちらはソビエト版より軽いノリの喜劇になっている。ソビエト版テレビ映画のロシア語タイトルは『Собачье сердце(英語版では『Heart of a Dog』)、1988年Ленфильм制作、Владимир Бортко監督、モノクロ2時間16分。おそらく2回に分けて放送されたと思われる。

Михаил-Булгаков
ミハイル・ブルガーコフ
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ドキュメンタリー『ドンバスの子供たち:砲火の下で育つこと』(2022)

 『ドンバスの子供たち』(Донбасс. Дети、Children of Donbass : Growing up under Ukrainian artillery fire)は今年9月に放映され、今はロシア語版と英語版がインターネット上で公開されている。非常に辛いドキュメンタリーだが、ひとりでも多くの人に観てもらいたいので、紹介する。


 この8年間、ドンバスでは毎日、ウクライナからの砲撃で子供たちが命の危険にさらされている。まだ小学生ぐらいの子供たちが次々と証言する:「ウクライナ人が私たちを撃ってくるの。私は足を撃たれたわ。跡が残ってる」、「僕たちは我慢したり死んだりしたんだけれど、彼らは勝つまで止めないんだ」、「毎日、バンバンバンって。とにかく大きなバン、バン!」。遊んでいる子供たちをめがけて砲弾が降ってくるのだ。この恐ろしい状態に慣れてしまった子供たちは爆撃音を聞き分けて、「今度はあまり遠くないな」、などと距離を判断する。そして地下室に逃げ込む。

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モンドリアンがもんどり打ってたって?まあそんなもんでしょ

 オランダの画家、ピート・モンドリアンの絵が75年間ものあいだ上下逆さまに展示されていたそうだ。問題の作品は『New York City 1』と名付けられた1941年作品で、1945年にニューヨーク近代美術館で紹介され、1980年以降はデュッセルドルフにあるノルトライン=ヴェストファーレン美術館に展示されるようになった。写真で拝見した限りではかなり大きな作品だが、作風からいって、逆さまであっても別に誰も文句は言わないだろう。同館では保管上の問題もあり、これからも逆さまのまま展示を続けるそうだ。

 てなわけで、今回は折角なのでモンドリアンとカンディンスキーの作品を数点紹介する。ただし1点を除いてすべて上下逆さまか左右に寝転がしてある。どれが正位置の作品か推測しながら、ゆっくり鑑賞してほしい。(以下に紹介する作品群は問題になった逆さまの絵、『New York City 1』ではありません)

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新刊書まもなく発売『モーティマー・メンペス作品選Ⅱ:ブルターニュ』

表1
新刊書:113日発売予定
『モーティマー・メンペス作品選II:ブルターニュ』
52ページ(全カラー44作品)価格 1,210円(税込)


 モーティマー・メンペス(Mortimer Luddington Menpes)は1855年、オーストラリアのアデレードに生まれた。少年時代に写真の色付け技術を習得した後、1875 年には両親とともにロンドンに移住して美術学校で修業する。1880 年、メンペスは多くの芸術家が集まるブルターニュ地方を訪れ、芸術村ともいえるポン=タヴァンに住み着いて、3年ほどの間に数多くの作品を残した。㊟


 昨年、当研究所で発行した『モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と』は、19世紀末の日本庶民の暮らしを描写した水彩画を中心に、彼の意欲的な作品群を総合的に紹介したが、今回はフランスでの作画活動の成果を示す紀行画集、『ブルターニュ』(Brittany1905年初版発行)に掲載された絵画作品を選んだ。


 メンペスの紀行画集を今日に例えるならば、「ひとり歩き旅行ガイド」のようなもので、ブルターニュ各地を紹介した文章にカラー印刷の絵画が多数添えられるという、当時としては非常に斬新な趣向だった。文章は娘のドロシーがメンペスの記憶を文字に起こした。ドロシー本人もまた少女時代の1894年、父母とともにブルターニュを訪問してしばらく滞在しているせいか、生き生きとした文章になっている。


 今回発行する美術書ではあえてメンペスの絵画だけを採用したが、元になった紀行画集の中には、ポン=タヴァン派の作画風景を観察した記述がある。短い部分だがなかなか面白いので、そこだけは抜粋翻訳して添えた。


㊟ポン=タヴァン派はゴーギャンなどが所属したアバンギャルド芸術集団。


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続、ハンナ・アーレントってどうよ?ヤコブ・ロゾウィックの批判書、『ヒトラーの官僚たち:ナチ秘密警察と凡庸な悪』

 ヤコブ・ロゾウィック(Yaacov Lozowick)は著書、『ヒトラーの官僚たち:ナチ秘密警察と凡庸な悪』(2000で、「アドルフ・アイヒマンはハンナ・アーレントが指摘したように無自覚な官僚だったのか」、ということを歴史学者の立場から検証した(注)。ナチス・ドイツにおけるアイヒマンの役割を分析したもので、文体も簡潔で、専門書というよりはむしろ一般の読者を想定した良書である。だが、アーレントを真向から批判したためか、評論家たちからはほとんど無視されてしまった。映画『肯定と否定』で注目を浴びた歴史学者、デボラ・リップシュタッツもその著書、『アイヒマン裁判』(2011、The Eichmann Trial)でアーレントを批判したが、こちらはそれが中心テーマではなかったため、多くの批評家たちはそこに深入りせずに論評した。そんな事情を考えながら、ロゾヴィックが解体したアイヒマンについて考えてみる。 

(注)Yaacov Lozowick, Hitler’s Bürokraten: Eichmann, seine willigen Vollstrecker und die Banalität des Bösen、2000。英語版は Hitler's Bureaucrats: The Nazi Security Police and the Banality of Evil

ヤコブ・ロゾウィックはドイツ生まれの歴史家。イスラエル国立公文書館で公文書研究の責任者を務めた。

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【速報】ドンバス地域で住民投票が始まった

ドンバス、ヘルソン、ザポロージェで記録的人数の市民が投票所に列をなして集まっている。みんな「この日を待っていたの」、「ロシアになって安全に暮らしたい」と言っている。(ロシア語英語字幕付き)

Record number of Donbas, Kherson & Zaporozhye citizens vote on referendum on uniting with Russia! (24 Sept 2022、4分37秒、Odyseeより。画面右下の▢で大画面になります)



こちらはおなじみグレアム・フィリップス。9月23日の住民投票をルガンスク現地で取材。投票用紙に記した「Да(賛成)」をフィリップスに堂々と見せる住民たちの顔がみんな喜びに満ちている。
Donbass - Referendum Moments!!! (Lugansk, LNR - today!! ) (24 Sept 2022、5分0秒、Rumbleより。画面右下の▢で大画面になります)


パトリック・ランカスターもヘルソンから取材。「元のロシアに帰るんだ」という住民の強い意思表示の他、解放以降の医療保健制度や投票準備に携わった人々の様子も取材。

Referendums To Join Russia Start In Ukraine

(24 Sept 2022、30分05秒、Youtubeより。画面右下の▢で大画面になります)

『冷戦:マーシャル・プラン』(1998) CNNドキュメンタリー

 第二次世界大戦が終わり、ヨーロッパは貧困にあえいでいた。失業と空腹に苦しむ庶民の多くは、「社会正義を実現するには共産主義しかない」と考えるようになり、共産党員は200万人にふくれ上がっていった。これに恐れをいだいた米国は1947年、大胆な対抗策を講じる。マーシャル・プランである。今回紹介するドキュメンタリーは、冷戦期の欧州経済復興と米国の政策を振り返って分析するもので、CNNが1998年から翌年にかけて放映した24回TVシリーズ、『冷戦』の第3回目にあたる。

 

 欧州諸国のなかでも、戦後も共産党と中道右派との間で内戦が続くギリシアの荒廃は深刻だった。英米は中道右派を経済援助していたのだが、英国は自国の経済が怪しくなったため、支援から撤退せざるを得なくなった。ギリシアからドミノ倒しで欧州諸国が共産化してしまうことを恐れ米国大統領、ハリー・トルーマンは1947年2月、非常に大胆な政策を連邦議会で発表する。いわゆるトルーマン・ドクトリンである。「自由世界の人々は、その自由を維持するために我々の支援を必要としている。もし我々が主導することをためらえば、世界の平和を危険にさらすことになり、また、我が国の繁栄をも危険にさらすことになるのである。従って私は連邦議会に、ギリシアとトルコに1948年6月30日までの期間、4億ドルの援助を提供することを要請する」。こうして、自由対独裁、西側対共産主義の闘いという二項対立が初めて登場した。

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ジョージ・マーシャル

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続・ウクライナについての小さな情報(続報あり)

 ウクライナの紛争について参考になる記事や動画を3月にまとめたが、その後もさらにあふれんばかりの情報が入ってくる。とりあえず続編をこちらにまとめておく。少し煩雑になってしまったが、ドンバスや欧州諸国、米国などの動きについて多角的に考える参考になればと思う。主に英語の情報を選んだが、その他の言語のものには英語字幕がついている。

【ウクライナ:普通にナチズム】
(ロシア語英語字幕埋込み)
Ukraine:Ordinary Nazism(7 Apr. 2022、52分22秒、Youtubeより。画面右下の▢で大画面になります)

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『苦悶のウクライナ:隠された戦争』(2015)ドイツ人ジャーナリストの見たドンバス

  「このドキュメンタリー(Ukrainian Agony:The concealed war)はドイツ人ジャーナリストの個人的経験によるものであり、彼の身に起こった出来事を反映している。ほとんどの映像は2014年7月以降に撮影されたものである......時は2014年9月4日、午後9時12分。場所は南東ウクライナ、ロシア国境から13マイル」という白い字幕が真っ黒な画面に映し出される。全く視覚の効かない暗闇から、激しいマシンガンの銃撃音が聞こえてくる。弾丸の飛びかう鋭い音が耳元で響く中、戦闘員がロシア語で叫び合っている。そして、「暗すぎて見えないな」というドイツ語の低いつぶやき。暗闇での死の恐怖を音だけで感じさせる映画の導入部だ。

 

 監督のマーク・バータルマイ(Mark Bartalmai)は、それまでも戦場を取材してきたジャーナリストだが、あの夜ほど身の危険を感じたことはない。気が付いたら彼のクルーは最前線にいたのだ。兵士運搬用装甲車から振り落とされそうになったバータルマイは、カメラを両手にかかえて飛び降りる。200メートルほど先に、炎が巨大な壁になっているのが見えた。


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ドネツク国際空港の廃墟

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『死せる魂』(1984)ゴーゴリの社会風刺小説を映画化

 ここのところ、ウクライナ南東部のヘルソンという地域でのロシアとウクライナの戦闘がよくニュースになっている。人口調査によると、この地域では76.4%がウクライナ人で20.0%がロシア人と自認している一方、ロシア語人口は45.3%にのぼる。つまり自覚的ウクライナ人でもロシア語をしゃべっている割合がかなり多いのだ。歴史的事情によると思われるが、実はこの土地が登場するロシア文学の古典がある。ニコライ・ゴーゴリ(1809-1852)の『死せる魂』である。世界中のロシア文学好きに人気がある作品で、これまでに何度も映画化されており、今回はその中から1984年ソヴィエト版TVシリーズ(5話:6時間28分)を取りあげる。監督はミハイル・シュバイツェルで、主人公のチチコフを演じるのはアレクサンドル・トロフィモフ。ロシア内戦時代における映画界の混乱を描いたドラマ映画、『愛の奴隷』(1976年、ニキータ・ミハルコフ監督)でも好演している癖の強い俳優である。ヘルソン州が登場するのは種明かしに近い後半部分なので、今しばらく辛抱を。


dead souls 1984
映画からの低解像度スクリーンショット

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『Z』(1969)コスタ・ガブラス監督のアカデミー賞受賞作品

 1963年5月、軍縮とNATOからの撤退を呼びかけるギリシアの左派政治家、グリゴリス・ランブラキス(1912-1963)がテッサロニキで暗殺され、民衆の怒りは大きな抗議行動につながっていった。『Z』(1969年:アルジェリアとフランスの合作)はこの事件のドラマ映画化で、アカデミー賞を2部門で獲得している。日本でもすぐに公開され、その後しばらくはあちこちの名画座で繰返し上映されていたのだが、今ではすっかり忘れ去られてしまったようである。なお、タイトルの「Z」はギリシア語の”Ζει”、「彼は生きている」を意味し、ギリシア民衆の抵抗運動を象徴する標語にもなっている。

Costa-Gavras_en_1970
監督のコスタ・ガブラス

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【ウィシュマさん国賠名古屋地裁第2号法廷】
12月から医師等4名証人尋問
■2025年
12月04日(木)14:30~
12月11日(木)14:30~
12月24日(水)10:30~
■2026年
1月14日(水)10:30~
1月28日(水)10:30~
 **************

※なるほど。80年前は「現人神」に命を捧げた幼稚な民族が今度は「真のお母様」に骨までしゃぶられたってことか。

※誰かネタニヤフのことを「凡庸な悪」と言う人いる?

※原爆を落とさなくても日本は降伏していたが戦後史も変わっていただろう。まず無条件降伏までの日程が延びてソ連軍が北海道を制圧し場合によっては南進する。戦後処理は日本のどこかで南北にぶった切ってドイツのように分割する形で終結した可能性が高い。その場合、朝鮮半島の分断という悲劇はひょっとしたら免れたかもしれない。どちらにしろ日本はこの戦争で近隣諸国に多大な迷惑をかけた。《続編》もちろんそれでも原爆は落とさない方が良かったに決まっている。我が国は日本連邦共和国と日本民主主義人民共和国の二つに分かれただけだから。バラライカ弾いてカチューシャを歌って結構楽しく暮らせたと思う。

画像は西鶴一代女(1952年東宝:溝口健二監督)のスチールに自動着色+手修正

日独韓伊の米軍基地

《国会オンライン中継録画》
◎衆議院インターネット審議中継

◎参議院インターネット審議中継


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戦争の彼方
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ウィーンへの帰還
¥1650(税込)


赤いオーケストラ
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革命の内側¥1650(税込)

当研究所制作の美術書

10月1日発売開始
2026年カレンダー:読書の風景¥550(税込)

ミケランジェロ素描集
¥1650(税込)


テオドール・ジェリコーの習作
¥1650(税込)


モーティマー・メンペス作品選Ⅱ:ブルターニュ
¥1210(税込)


モーティマー・メンペス作品選:日本と世界と戦争と
¥2530(税込)


ドラクロワ素描集
¥1100(税込)


本を読む
ジャカルタ・メソッド : 反共産主義十字軍と世界をつくりかえた虐殺作戦(ヴィンセント・ベヴィンス著)

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