今回、ロシア・アヴァンギャルドの芸術家集団のなかでは重要な地位を占めるが、日本ではほとんど知られていない画家、アリスタルフ・レントゥロフの作品集、『アリスタルフ・レントゥロフ:ロシア・アヴァンギャルドと色あざやかな社会主義』を発行したので、以下に紹介する。
『アリスタルフ・レントゥロフ
ロシア・アヴァンギャルドと色あざやかな社会主義』
2026年4月20日発売、A4判52頁全カラー ¥2,970(税込)
アリスタルフ・レントゥロフは1882年、ロシアのペンザ州ニジニロモフに生まれた。最初は神職であった父親の跡を継ぐため神学校に入学したが、誰もが認める絵画好きであったため、新設の美術学校に転校する。地元やキエフの美術学校では教師の作品に手を加えるなどして、学校と衝突することも多かったようである。
サンクトペテルブルクで修業をかさねた後、20歳代後半にモスクワで『ダイヤのジャック』という前衛的な芸術集団の創設メンバーになる。同時にパリやイタリアを訪れ、ポール・セザンヌや未来派の影響を強く受ける。レントゥロフの生涯においてはこの次期とその数年後まで、すなわち1910年から1920年ぐらいまでの作品群が質・量ともに圧倒的である。そして『ダイヤのジャック』解散後には、舞台演劇の美術に才能を発揮するが、こちらの作品はほとんど残っていない。これは作品の所有権が画家ではなく劇場に移ってしまったことにも起因しているが、ロシア革命の最中を生きぬいた画家の宿命とも言えるだろう。それ以外でも相当数の絵画作品が紛失してしまっているのは、非常に残念だ。
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